赤ちゃんの必需品!「スタイ」の秘密と正しい選び方、使い方
小児科専門医の杉原です。
今日は、赤ちゃんの育児に欠かせないアイテム、「スタイ」についてお話ししたいと思います。皆さんは「スタイ」「よだれかけ」「ビブ」という言葉を聞いて、それぞれ違うものを想像しますか? 実は、これらは基本的に同じものを指しているんですよ。
「スタイ」って何語? 不思議な呼び名の由来
「よだれ等で衣服を汚さないように、首から胸元に下げる布」が、いわゆる「スタイ」、「よだれかけ」、「ビブ」です。
この中で、「よだれかけ」は純粋な日本語。そして、「ビブ」は英語の「bib」から来ています。英語の「bib」は、食事用のエプロンも指すんですよ。
では、「スタイ」はどこから来た言葉でしょう? 英語圏の人に「Sty」と言っても、残念ながら通じません。なぜなら、英語の「sty」は「豚小屋」や「ものもらい」という意味だからです。なんだか、赤ちゃんに使う言葉としてはびっくりですよね。
なぜ「スタイ」という言葉が広まったのか、正確な理由は分かっていません。しかし、有力な説があります。それは、1992年にスウェーデンの大手ベビー用品メーカーであるベビービョルン社が、プラスチック製のよだれかけを日本で販売する際に、「スタイ」という商品名をつけたのが始まりだと言われています。この商品が大ヒットしたことで、「スタイ」という呼び名が日本中で定着した、というわけです。ちょうど「ホッチキス」のように、商品名が一般名称になった例ですね。
用途に合わせて使い分けよう! スタイの選び方と素材のポイント
スタイを選ぶとき、皆さんは何を重視していますか? 実は、用途によって使い分けるのがおすすめです。
1. よだれキャッチ用
お出かけのときや、普段の生活でよだれをキャッチする目的のスタイは、やっぱり可愛さやデザインも重視したいですよね。素材としては、赤ちゃんの肌に優しい綿素材がおすすめです。肌触りがよく、吸水性も高いため、よだれの多い赤ちゃんにぴったりです。
- ポイント:
- 綿素材:肌に優しく、吸水性が良い。
- 好みのデザイン:お洋服とのコーディネートも楽しめます。
- リーズナブル:たくさん使うものなので、洗い替えを考えて複数枚あると便利です。
- 留め具のつけやすさ:パパやママがスムーズにつけ外しできるものが良いでしょう。
2. 食べこぼし防止用(お食事エプロン)
離乳食が始まると、食べこぼし対策が必須になりますね。この用途では、何よりも機能性を優先しましょう。最初は布製の防水スタイを使われる方も多いですが、断然おすすめなのはシリコン製スタイです。
- ポイント:
- シリコン製:食べこぼしをしっかりキャッチしてくれるポケット付きが多く、汚れてもさっと拭いたり、水で洗ったりできるのでお手入れが格段に楽になります。
- 頸ではなく、肩に重さがかかるタイプを選びましょう。
- 保育園指定の形:保育園によっては、特定の形のスタイを推奨している場合もありますので、確認しておくと良いでしょう。
3. 素材の選び方で快適に!
赤ちゃんのお肌はデリケートです。直接触れるものですから、肌に優しい素材を選ぶようにしましょう。
また、意外と見落としがちなのが留め具の種類です。面テープ(マジックテープ)式のものは、洗濯の際に他の洗濯物にくっついてしまったり、糸くずが絡まったりすることがあります。ボタン式やスナップ式のものが、洗濯のしやすさという点ではおすすめです。
安全第一! スタイを正しく使うための注意点
最後に、とても大切なことをお伝えします。スタイは便利なアイテムですが、使い方を間違えると危険なこともあります。
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寝るときやうつ伏せになる時は必ず外す
- 赤ちゃんが寝ているときや、うつ伏せで遊んでいるときは、必ずスタイを外してください。スタイが赤ちゃんの顔にかかって、鼻や口をふさいでしまう可能性があります。窒息のリスクを防ぐために、この点は徹底しましょう。
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清潔な状態を保つよう取り換える
- よだれや食べこぼしがついたスタイは、細菌が繁殖しやすい環境です。清潔な状態を保つためにも、汚れたらすぐに新しいものに取り換えてあげましょう。
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サイズ選びも大切
- 赤ちゃんの成長に合わせて、適切なサイズのスタイを選んであげましょう。
- 適切なサイズなら、口の動きや腕の動きを邪魔したりはしません。
ユアクリニックお茶の水では、赤ちゃんの成長と発達について、様々なご相談を承っています。私も予防接種やアレルギー、漢方治療など、幅広い分野で皆さんの子育てをサポートしています。何か心配なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。皆さんの子育てを全力で応援します!