乗り物酔いについて
お子様の乗り物酔い、どうにかしたいのに…
お子様との楽しい旅行や外出。でも、乗り物酔いが心配で、せっかくの気分が台無しになってしまうことはありませんか? 「うちの子、すぐに酔っちゃうから、乗り物での移動はいつもドキドキ…」「市販薬はたくさんあるけど、どれを選べばいいのかわからない」「病院でもらえる薬があれば安心なのに…」と悩んでいらっしゃる親御さんは少なくありません。
小児科医として、私も「子どもが乗り物酔いしやすいのですが、良い薬はありませんか?」というご相談をよくお受けします。実は、西洋薬の場合、お子様への適応が明確にある乗り物酔いの薬は非常に少ないのが現状です。そのため、医療機関で処方するとなると、漢方薬を選んだり、大人の薬を調整して「適応外使用」として処方せざるを得ないのが実情です。お子様の体質や年齢を考えると、薬選びには慎重になりますよね。安心して使える薬がないか、と不安に感じるお気持ち、とてもよく理解できます。
お子様の乗り物酔いを和らげるには、いくつかの選択肢があります。
市販薬の選択肢
ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販薬には、お子様の年齢に合わせて様々な種類があります。
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3歳から服用可能なもの:
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センパア プチベリー 10錠 [第2類医薬品]
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5歳から服用可能なもの:
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トラベルミン・ジュニア 6錠 [第2類医薬品]
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トラベロップQQ G(ぶどう味) 8錠(2錠×4包) [第2類医薬品]
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7歳から服用可能なもの:
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アネロン「キャップ」 4カプセル [指定第2類医薬品]
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エアミットサットF 12錠 [指定第2類医薬品]
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これらの市販薬は、用法・用量を守って正しく使用すれば、お子様の乗り物酔いの症状を和らげるのに役立つでしょう。ご不明な点があれば、薬剤師にご相談ください。
医療機関での処方と漢方薬
もし、「市販薬では心配」「3歳未満で市販薬が飲めない」という場合は、医療機関で処方できる比較的安全な選択肢として漢方薬があります。
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五苓散(ごれいさん): この漢方薬は、乗り物酔いだけでなく、下痢や二日酔いなど、体内の水分バランスが乱れた際に幅広く用いられます。お子様にも比較的安心して使用できる薬の一つです。
お子様の乗り物酔いでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。お子様の年齢や体質、これまでの症状などを詳しくお伺いし、最適な選択肢を一緒に考えさせていただきます。市販薬の選び方についてもアドバイスできますし、必要であれば五苓散などの漢方薬の処方も検討いたします。
お子様との楽しい時間を、乗り物酔いの心配なく過ごせるよう、早めに手を打ちましょう。特に、初めての長距離移動や、これまで乗り物酔いの経験がある場合は、事前にご相談いただくことで、お子様も親御さんも安心して当日を迎えられます。