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教科書が書き換わる瞬間?情報の荒波を乗りこなす「羅針盤」の話

[2025.12.12]

今日は診察室でのいつものお話とは少し違って、僕たち医師にとっても、そして皆さんにとっても、ちょっと衝撃的なニュースについてお話ししたいと思います。コーヒーでも飲みながら、リラックスして聞いてくださいね。

CDCウェブサイトの情報消失に関するニュース

先日、驚くようなニュースが飛び込んできました。あのアメリカの「CDC」のサイトから、ワクチンの情報が消えたり、機能が止まったりしているというんです。

CDCってなに?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

簡単に言うと、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)というのは、感染症対策における「世界的な司令塔」のような存在です。警察で言えばFBI、学校で言えば校長先生、いや、もっとすごい「正解を持っている先生」みたいなイメージでしょうか。

僕が研修医だった頃、尊敬する先輩医師によくこう言われたものです。

「迷ったらCDCを見ろ。あそこには世界中の英知が集まっているから、それがスタンダード(標準)だ」と。

実際、ちょっと勉強熱心な医師たちの間では、「CDCのガイドラインではね……」なんて会話をするのが、ある種の「お作法」であり、信頼の証でもありました。

それが今、揺らいでいるんです。

正直に言いますね。僕自身、このニュースを聞いたとき、「えっ?」と声が出ました。

たとえるなら、ずっと頼りにしていた辞書のページが、突然白紙になってしまったような、そんな心もとなさを感じたんです。

ニュースでは、アメリカのトランプ次期大統領や、日本の政治家の方々の名前も挙がっています。政治の世界には「風」が吹きます。その風向きによって、昨日までの常識がガラリと変わる。それは世の常かもしれませんが、まさか医学や科学の情報の砦であるCDCまでが、その風にこれほど大きく影響を受ける時代が来るとは……。

「もう、かつてのように無条件で『CDCが言っているから正しい』とは言えないかもしれない」。一人の医師として、寂しさと共にそんな危機感を抱いています。

情報源が不確かな時代に、私たちが大切にすべきこと

でもね、ここからが大事な話です。

「じゃあ、何を信じればいいの?」と不安になってしまいますよね。

情報源が揺らいだときこそ、僕たち現場の医師の出番だと思うんです。

これまで僕たちは、大きな灯台(CDCなど)の光を頼りに船を進めてきました。でも、その灯台の光が消えたり、点滅したりするなら、僕たちは自分たちの船にある「羅針盤」と「地図」をしっかり見なきゃいけない。

その羅針盤とは、目の前にいる患者さん一人ひとりの状態であり、地図とは、僕たちがこれまで培ってきた経験と医学的な基礎知識です。

「偉い人が言っているから」ではなく、「目の前のお子さんにとって、何がベストか」を、もう一度ゼロベースで一緒に考える。ある意味で、すごく本来的な医療の姿に戻るチャンスなのかもしれません。

夕飯の献立を考えるときだってそうですよね?

有名な料理研究家のレシピ通りに作っても、家族の体調や好みに合わなければ意味がありません。「今日は寒いからもっと生姜を入れようかな」とか「子供が疲れているから甘めにしよう」とか、最後は「お母さん、お父さんの匙加減(さじかげん)」が最高の味を作ります。

医療情報も同じです。

CDCという巨大なレシピサイトが見られなくなっても、僕たちには「経験」という味覚があります。

ユアクリニックお茶の水が目指すもの

ユアクリニックお茶の水は、情報の荒波の中で、皆さんと一緒に「我が家の味(最適な治療方針)」を見つける場所でありたいと思っています。

世界がどう変わろうと、ここお茶の水で、僕はお子さんの喉を見て、胸の音を聞き続けます。それは変わりません。

不安なニュースも多いですが、「先生、これどう思う?」って、いつでも気軽に聞きに来てくださいね。一緒に考え、一緒に悩み、一番いい答えを探していきましょう。

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