大切な人を守る「愛のバリア」!小児科医が語るインフルエンザワクチン接種の本当の意味
こんにちは。「ユアクリニックお茶の水」の院長です。毎年この時期になると、インフルエンザワクチンの接種について、いろいろなご心配や疑問をお持ちになることと思います。特にお子さんをお持ちの親御さんは、「自分が病気になったら、誰がこの子たちを看病するんだろう…」と、不安に感じていらっしゃるかもしれませんね。
インフルエンザワクチン接種への不安と安心
「もし、私がインフルエンザで寝込んでしまったら、子どもの世話はどうなるの?」「他の家族にうつしちゃったらどうしよう?」――そう考えるのは、決してあなたの能力不足ではありません。むしろ、それはあなたがご家族を心から大切に思っている証拠であり、責任感からくる当然の不安なんです。私自身も、過去に先輩医師から「患者さんのために働き続けるには、まず自分が倒れちゃダメだよ」と厳しく言われた経験があります。医療の現場でも、家族の健康を守る家庭でも、キーパーソン(主要な役割を担う人)の健康は何よりも大切なのです。
インフルエンザワクチンは愛のバリア
さて、インフルエンザワクチンのお話です。ワクチンというと、「痛い」「面倒」「毎年打たなきゃいけないの?」といったイメージがあるかもしれません。でも、小児科医として皆さんに伝えたいのは、ワクチンは「愛のバリア」だということです。
ワクチンの働き:免疫システムを訓練
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専門用語を日常語に!
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ワクチンが体の中で行うことは、「免疫」という体の守りのシステムを訓練することです。警察や消防士が、事件や火事が起きる前に訓練をするのと同じイメージですね。
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インフルエンザウイルスがやってきても、訓練済みのおかげで、体がすぐに反応し、重症化(病気がひどくなって、入院が必要になったり命に関わったりすること)を防いでくれる確率が高くなるんです。
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ワクチン接種を身近な例えで解説
皆さん、突然の雨で水たまりに入ってしまった時のことを想像してみてください。
もし、傘もレインコートも持っていなかったら、服がびしょ濡れになって、風邪をひいてしまうかもしれません。これが「ワクチンなし」でウイルスに晒された状態です。
一方、ワクチンを打つのは、「ちょっと濡れるかもしれないけど、ひどい水たまりでも体は守れる、丈夫な傘を事前に用意しておく」ようなものです。完全に雨を防ぐわけではありませんが、大半の被害を防いでくれます。特に、お子さんやご高齢の方、持病をお持ちの方にとっては、この「傘」が命綱になることもあるのです。
当院では、皆さんの不安を少しでも和らげるために、赤ちゃんにも使えるような細い針を使用し、最も短い時間でスムーズに接種を終える工夫をしています。「注射、嫌だな…」というお子さんや、痛みが苦手な親御さんの不安な心を、少しでも「安心」に変えるお手伝いをしたいと思っています。私自身、毎年打っていますが、「え、もう終わったの?」と感じるくらい、あっという間ですよ。
予防接種は自己犠牲ではなくチーム戦
よく「子どものために、私が我慢して打つんだ」という方がいらっしゃいますが、実はワクチン接種は自己犠牲ではありません。
むしろ、家族みんなが自分のためにも打つ、チーム戦なんです。
もし、お父さんやお母さんがワクチンを打つことでインフルエンザにかかりにくくなれば、家の中にウイルスを持ち込むリスクが大幅に減ります。これを「コミュニティ免疫(集団免疫)」と呼びます。専門的な言葉ですが、要は「みんなでガードを固めて、一番守りたい人を守る」という意味です。小さすぎてまだワクチンが打てない赤ちゃんや、持病で打てない人を、周りの大人が間接的に守ることができるのです。
ユアクリニックお茶の水 院長からのメッセージ
インフルエンザの流行は、私たち小児科医にとっても、毎年気が抜けない戦いです。でも、皆さんがワクチンという「愛のバリア」を張ってくださることで、この戦いはずっと有利になります。
大切な人を守るため、そして、あなた自身が倒れる不安から解放されるためにも、ぜひ今年のワクチン接種をご検討ください。接種スケジュールやご質問は、お気軽に「ユアクリニックお茶の水」にご相談くださいね。
<読者の皆さまへ>
接種後の過ごし方や、副反応について気になることがあれば、いつでもご質問ください。当院では、接種後も安心して過ごしていただけるよう、丁寧にサポートいたします。
