メニュー

赤ちゃんの頭の形:「どのくらいのゆがみ」で専門医に相談すべき?

[2025.05.06]

皆さん、こんにちは!

今年は、土曜日の午後も日曜日もワクチンや頭のかたち外来など、予防医療に力をいれようと決意している小児科専門医の杉原です。

これまでの記事で、赤ちゃんの頭の形が気になるときの相談タイミングについてお話ししました。今回は、「どの程度のゆがみだったら、専門のお医者さんに診てもらうべきなの?」というご質問にお答えしますね。

判断の目安は「お父さん・お母さんの心配」

とてもシンプルな答えになりますが、「ご家族がゆがみを心配に思っているなら」、それが専門の医療機関(せんもんいりょうきかん:頭の形などを専門的に診てくれる病院やクリニックのことです)を受診する一つの目安になります。

「え、そんな簡単なことでいいの?」と思うかもしれませんね。でも、これには理由があるんです。

実は、お父さんやお母さんが「あれ?頭の形が気になるな」と気づく場合、客観的に見てもゆがみが中程度からそれ以上(専門的には**「重度(じゅうど)」**と言ったりします)のことが多い、というデータがあります。毎日赤ちゃんと接しているご家族の「気づき」は、とても鋭いんですね。

専門医に相談するメリット

専門の先生に診てもらうと、次のようなメリットがあります。

  1. ゆがみの原因と程度がわかる: 頭のゆがみには、寝癖などによる「位置的なもの」がほとんどですが、まれに他の原因が隠れていることもあります。専門医は、ゆがみの**原因を特定(げんいんをとくてい:なぜゆがんでいるのか突き止めること)し、ゆがみがどの程度(ていど:どれくらいゆがんでいるか)**なのかを正確に評価してくれます。 例えるなら、服にシミがついた時、「これは何のシミだろう?」「どのくらい目立つかな?」と気になりますよね。それと同じように、頭の形のゆがみも、「なぜかな?」「どのくらいかな?」を専門家に見てもらうことで、的確な対応がわかるんです。

  2. 適切なアドバイスがもらえる: 原因や程度に応じて、「向き癖を直す工夫を続けましょう」「このくらいのゆがみなら、ヘルメット治療も考えてみましょう」といった、その子に合った適切なアドバイスをもらえます。

重度のゆがみとヘルメット治療

もし、ゆがみが「重度」と判断された場合は、**ヘルメット矯正治療(ヘルメットきょうせいちりょう:頭の形を整えるための専用ヘルメットを使う治療)の良い適応(てきおう:その治療を行うことが勧められる状態であること)**となることが多いです。

そして、このヘルメット治療は、生後3ヶ月から6ヶ月くらいの間に始めると、**高い改善率(かいぜんりつ:治療によってどれくらい良くなるかの割合)**が期待できると言われています。赤ちゃんの頭がまだ柔らかく、成長が盛んな時期だからですね。

心配なら、まず相談を!

周りの人に「気にしすぎだよ」と言われたとしても、お父さんやお母さんが「やっぱり気になる」と感じるのであれば、それは受診を考える十分な理由になります。どうぞご自身の感覚を信じて、心配事を解消するために専門医に相談してみてくださいね。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME