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赤ちゃんの頭の形、気になる?「頭血腫(ずけっしゅ)」とヘルメット治療のお話

[2025.05.28]

皆様いかがお過ごしでしょうか? ユアクリニックお茶の水の杉原です。

先日、ヘルメット相談のお母様から「頭血腫(ずけっしゅ)」があっても治療可能ですかと相談がありました。

きっと他の人でも同じ悩みを抱えている人がいるかもしれません。そこで、ヘルメット治療と頭血腫についてお話ししたいと思います。

頭血腫ってなあに?

「先生、うちの子、頭にこぶみたいなものがあるんですけど、これって何ですか?」「触るとちょっと硬いんですけど、治りますか?」

こんなご質問を受けることがあります。これは、もしかしたら「頭血腫」かもしれません。

頭血腫というのは、赤ちゃんが生まれてくるときに、頭に少しだけ圧力がかかって、頭の骨と、その骨を覆っている膜の間に出血がたまってしまう状態のことを言います。例えるなら、ぶつけてしまってできる「青あざ」が、頭の骨のすぐ外側にできてしまうようなイメージです。

生まれたばかりの赤ちゃんに見られることが多く、だいたいは数週間から数ヶ月で、自然に体に吸収されてなくなっていく、ごく一般的なものです。ほとんどの頭血腫は、治療しなくても自然に消えていくので、心配いりません。

頭血腫があると、頭の形は変わっちゃうの?

「頭血腫があるから、頭の形がおかしくなっちゃうんでしょうか?」

頭血腫自体は自然に吸収されるので、頭の形に直接的な影響を与えることは少ないです。でも、もし頭血腫があるせいで、赤ちゃんがいつも同じ方向ばかりを向いてしまう「向き癖」がついてしまったり、それによって頭がゆがんでしまったりした場合は、ヘルメット矯正治療が有効な場合があります。

頭血腫が硬くなっちゃったんだけど、どうしたらいいの?

「先生、うちの子の頭血腫、触ると硬くなってて、前から見ると顔の形がホームベースみたいになっちゃってるんです。これって、手術で取り除かないとダメですか?」

これは、とてもよく聞かれる質問です。頭血腫が長期間あると、たまに「石灰化(せっかいか)」といって、頭血腫がだんだん硬くなってしまうことがあります。石灰化とは、例えるなら、コンクリートが固まっていくように、体の中にカルシウムなどが沈着して硬くなることです。骨と同じような成分が沈着して、硬いしこりのようになるんです。

触ると硬いので、お父さん、お母さんはびっくりしてしまいますよね。そして、「この硬くなったものを取り除かないと、頭の形が治らないんじゃないか」と心配される方もいらっしゃいます。

しかし、ご安心ください。石灰化した頭血腫をわざわざ手術で取り除くことは、ほとんどありません。というのも、石灰化した頭血腫があっても、ヘルメット矯正治療は可能な場合がほとんどだからです。

まるで、でこぼこの地面の上に家を建てるときに、地面そのものを平らにするのではなく、家の基礎をしっかり作って、でこぼこに合わせて調整していくようなイメージです。ヘルメットが、赤ちゃんの頭に合わせて、優しく圧力をかけながら、自然な丸みを帯びるようにサポートしてくれます。

杉原院長からのお願い

もし、赤ちゃんの頭血腫が気になったり、頭の形にゆがみがあるように感じたりしたら、できるだけ早めに専門の医療機関を受診してください。頭血腫の石灰化は、まれに吸収が遅れることがありますが、その場合でも、ヘルメット矯正治療のタイミングを逃さないことが大切です。

「ユアクリニックお茶の水」では、赤ちゃんの頭の形に関するご相談も受け付けております。私も、ベビーヘルメット以外にも、小児アレルギーや小児漢方を得意としていますが、何よりも大切にしているのは「予防」です。赤ちゃんが元気に、健康に育っていくために、私たちにできることはたくさんあります。予防接種も、大切なお子さんを様々な病気から守るための大切な予防の一つです。安全に、そして安心してワクチンを受けてもらえるよう、これからも努めてまいります。

お子さんの成長に関するご心配事があれば、どんな些細なことでも、お気軽にご相談ください。一緒に、お子さんの健やかな成長をサポートしていきましょう。

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