ベイフォータス RSウイルス抗体
RSウイルス感染症予防薬「ベイフォータス®」について
当院では、赤ちゃんや小さなお子様をRSウイルスの重症化から守るためのお薬「ベイフォータス®(一般名:ニルセビマブ)」を取り扱っています。
これまではリスクの高いお子様だけが対象のお薬(シナジスなど)が主流でしたが、ベイフォータス®は、すべての赤ちゃんを対象(保険対象になるのはリスクの高いお子様だけです)に、RSウイルスによる肺炎や気管支炎などの重い症状を防ぐことが期待できる新しいお薬です。
ベイフォータス®とは?
RSウイルスは、乳幼児の多くが感染する風邪のウイルスですが、小さな赤ちゃんがかかると重症化しやすく、入院が必要になることもあります。
ベイフォータス®は、このウイルスと闘う「抗体(こうたい)」を直接体に入れることで、即効性のある防御壁を作り、お子様を重症化から守ります。
💡 ワクチンとの違い
一般的な「ワクチン」は、接種してから体が免疫を作るまでに時間がかかります。
一方、「ベイフォータス®(抗体医薬品)」は、ウイルスを攻撃する「抗体」そのものを注射するため、打った直後から効果が期待でき、その効果が長期間(約1シーズン)続くのが特徴です。
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他のワクチンとの関係:
予防接種スケジュールを変更する必要はありません。他のワクチン(定期接種など)と同時に打つことも可能です。
接種の対象・時期・回数
👶 対象となるお子様
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生まれて初めてRSウイルスの流行シーズン(秋~冬)を迎える、すべての新生児・乳児
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2回目の流行シーズンを迎える、重症化リスクの高い24ヵ月齢までのお子様
📅 接種時期と回数
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時期: RSウイルスの流行シーズンが始まったら、早めに接種します。
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回数: 基本的に1シーズンに1回だけの注射で効果が持続します。
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※心臓の手術などで体外循環を行った場合などは、追加接種が必要になることがあります。医師にご相談ください。
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💉 投与量と方法
太ももの外側(大腿前外側部)に筋肉注射をします。
| お子様の状況 | 体重 | 投与量 |
| 初めてのシーズンを迎える方 | 5kg 未満 | 50mg |
| 5kg 以上 | 100mg | |
| 2回目のシーズンを迎える方 | - | 200mg |
費用と保険適用について
お子様の健康状態やリスクによって、「保険適用」か「自費診療」かが分かれます。
✅ 保険が適用される方
以下の条件に当てはまるお子様は、健康保険を使って接種が可能です。また、お住まいの自治体の「乳幼児医療費助成制度」の対象となります。
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早産児(在胎28週以下で12ヵ月齢以下、または29~35週で6ヵ月齢以下)
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慢性肺疾患(過去6ヵ月以内に治療歴があり、24ヵ月齢以下)
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先天性心疾患(血行動態に異常があり、24ヵ月齢以下)
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免疫不全(24ヵ月齢以下)
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ダウン症候群(24ヵ月齢以下)
🏥 自費診療となる方
上記に当てはまらない、健康な新生児・乳児のお子様が接種を希望される場合は「自費診療(全額自己負担)」となります。
海外ではすべての赤ちゃんが対象となっているお薬ですので、当院でも希望される方は接種が可能です。
【自費診療価格】
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体重 5kg未満(50mg): 600,000円
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体重 5kg以上(100mg): 1,000,000円
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2回目のシーズン(200mg): 2,000,000円
※間違いではありません。この価格は米国(100mg 519.75$)とくらべ10倍以上の差があります。
副作用と接種後の注意点
よくある副作用
注射をした部位の腫れや痛み、発熱、発疹などが見られることがありますが、多くは数日で治まります。
⚠️ 気をつけていただきたい症状
ごく稀ですが、以下のような重い症状が出た場合は、すぐに医師に連絡してください。
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アナフィラキシー(強いアレルギー反応):
冷や汗、吐き気、息苦しさ、全身のじんましん、声が出にくい、顔色が悪いなど
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血小板減少(血が止まりにくくなる):
皮膚に赤い点状の出血が出る、アザができやすいなど
接種できない・注意が必要なお子様
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過去にベイフォータス®で強いアレルギー症状が出たことがあるお子様は接種できません。
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現在、熱がある、出血しやすい病気がある、激しく泣くと発作を起こす可能性があるお子様などは、必ず事前に医師へご相談ください。
医療費助成制度について
乳幼児医療費助成制度
保険診療となった場合、自治体による助成が受けられます。窓口での支払いが無料になる場合や、後日還付される場合など、お住まいの地域によって仕組みが異なります。
高額療養費制度
1ヵ月の医療費が高額になった場合、所得に応じた自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。
(例:窓口負担が20万円でも、制度を利用すれば約8万円程度に抑えられるケースがあります ※所得区分により異なります)
接種をご希望の方、詳しく話を聞きたい方は、お気軽に当院スタッフまたは医師までご相談ください。
