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ペットも人もかかる感染症(SFTS)にご注意ください

「まさか」をなくすために。マダニから身を守るための知識と対策

夏は、キャンプやハイキング、ガーデニングなど、屋外での活動を楽しむ機会が増える時期ですね。しかし、こうした活動で注意すべきなのが、マダニによる感染症です。

今回は、マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、知っておいていただきたいことをお話しします。

SFTSとはどんな病気?

SFTSは、SFTSウイルスに感染したマダニに咬まれることで発症する病気です。主な症状は、発熱や消化器症状(食欲不振、吐き気、下痢など)ですが、重症化すると命に関わることもあります。

このウイルスを保有しているマダニは、西日本だけでなく、関東や東北、北海道でも生息が確認されています。都市部の市街地周辺でも見つかることがありますので、どこにいても注意が必要です。

マダニは、食品等に発生するコナダニや衣類や寝具に発生するヒョウヒダニ等の家庭内に生息するダニとでは種類が異なり、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3ミリメートルから4ミリメートル)のダニです。

また、SFTSウイルスに感染し、発症している野生動物やネコ、イヌなどの血液、体液に触れることで接触感染する可能性もあります。


感染を防ぐためのポイント

SFTSには、現在有効なワクチンがありません。そのため、マダニに咬まれないようにすることが最も大切な予防策となります。イヌ、ネコから感染した事例も報告されています。ペットを飼っている方のみならず、動物を取り扱う方は予防の知識が必要となります。

1. 肌の露出を減らす

マダニの活動が盛んな春から秋にかけては、草むらや藪に入る際に注意が必要です。

  • 長袖、長ズボンを着用する

  • 足を完全に覆う靴や靴下を履く

  • タオルを首に巻く

ガーデニングや畑仕事、ペットの散歩などで草むらに入る際も、肌が隠れる服装を心がけましょう。

2. 虫除けスプレーを補助的に活用する

DEETという成分を含む虫除けスプレーは、マダニに対して一定の効果があるとされています。ただし、汗をかくと流れ落ちてしまうため、過信せず補助的なものとして使用してください。

3. 屋外活動後の確認を徹底する

屋外で活動した後は、シャワーやお風呂に入るついでに、ご自身の全身をチェックしてください。特に、マダニがつきやすい以下の場所を念入りに確認しましょう。

  • 脇の下

  • 太ももの付け根(鼠径部)

  • ひざの裏

もしマダニに咬まれているのを見つけたら、無理に自分で取ろうとしないでください。皮膚に食い込んでいることが多く、無理に取るとマダニの一部が皮膚に残ってしまう可能性があります。その場合は、皮膚ごと除去する必要がありますので、できるだけ早く皮膚科、あるいは外科を受診してください。


もし症状が出たら

マダニに咬まれた後、発熱や関節痛、頭痛などの全身症状が出た場合は、すぐに皮膚科・外科を受診しましょう。その際は、「いつ、どこで、マダニに咬まれたか(あるいは屋外活動をしたか)」を医師に伝えることが非常に重要です。

 

安全に屋外活動を楽しむためにも、マダニの知識を正しく持ち、適切な予防策を実践しましょう。

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