ワクチンの同時接種
同時接種ってなあに?
同時接種とは、いくつかの種類のワクチンを一度に受けることです。例えば、生後2ヶ月の赤ちゃんが予防接種に来たとします。この時に、ロタウイルスワクチンを口から飲んで、ヒブワクチンを左腕に、肺炎球菌ワクチンを右腕に、B型肝炎ワクチンを左の太ももに、というように複数のワクチンを同時に接種することがあります。
「一度にたくさんの注射をするなんて、なんだか怖いな…」「赤ちゃんに負担がかかるんじゃないかしら」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。日本でこの方法が広まり始めたのは2008年以降で、まだ歴史が浅いことも不安の一因かもしれません。
同時接種は安全なの?
結論から言うと、はい、安全です。
海外では以前から同時接種が行われており、その安全性は確認されています。これまでの研究で、現在子どもが受けることができるワクチンは、どのような組み合わせでも安全に接種できることが分かっています。また、一度に接種できるワクチンの本数にも原則として制限はありません。
心配な副反応についてですが、複数のワクチンを同時に接種したからといって、副反応が起きる確率が高くなるわけではありません。例えば、それぞれ単独で接種した場合に「1」の副反応が起こると考えられるワクチンを4本同時に接種したとしても、副反応の合計は「1+1+1+1=4」で「4」になります。これを別々に4回接種しても、合計の副反応のリスクは同じ「4」なのです。副反応の数が10倍や100倍になることは決してありません。
同時接種でワクチンの効果は落ちないの?
ご安心ください、ワクチンの効果が落ちたり、逆に強くなりすぎたりすることはありません。
私たちの体の免疫機能はとても優秀で、ひとつのワクチンを処理するために使われる免疫の力は、体全体のほんの一部にすぎません。これは、「海に塩をほんの少しだけ投げ入れたとしても、海全体の塩分濃度はほとんど変わらない」のと同じようなものです。たくさんのワクチンを同時に接種しても、それぞれのワクチンの効果が弱まることはありませんので、安心して受けてください。
同時接種のメリットって?
同時接種には、以下のような良い点がたくさんあります。
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早く病気から守られる: 接種したその日から免疫がつき始めるため、多くの病気からお子さんを早く守ることができます。
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通院の負担が減る: 医療機関に行く回数が減るので、保護者の方の時間の負担が大幅に軽くなります。
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社会全体で病気を減らせる: 多くの人が早くワクチン接種を終えることで、社会全体からその病気をなくすことにつながります。
もし、どうしても同時接種をしたくない場合は?
現在の予防接種のスケジュールでは、同時接種をしないでお子さんに必要なワクチンを予定通りにすべて接種するのはとても難しいのが現状です。
もし、どうしても同時に接種したくないというご希望がある場合は、かかりつけの医師に相談してください。ただし、その場合は同時接種のメリット(早く免疫がつくことや通院の負担軽減など)を得られなくなってしまうこと、そして接種が遅れることでワクチンで予防できる病気にかかるリスクが高まることを理解しておく必要があります。
