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細気管支炎

最近、お子さんの咳がなかなか止まらない…。夜、寝ている時に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」っていう音が聞こえて、心配で何度も起きてしまう…。

なんてお母さん、お父さん、いらっしゃいませんか?

特に寒い季節になると、ユアクリニックお茶の外来でも、そういったご相談が本当に増えるんです。

それ、もしかしたら細気管支炎かもしれませんね。

細気管支炎とは?

細気管支炎って、漢字が並ぶとなんだか難しそうですよね。

気管支っていうのは、私たちが息を吸ったり吐いたりする時の空気の通り道のこと。

細気管支炎っていうのは、その通り道の中でも、赤ちゃん特有のすごーく細い、それこそ髪の毛みたいに枝分かれした先っぽの部分(これが細気管支です)が、風邪のウイルスで炎症を起こしちゃう病気なんです。

原因になるウイルスはいろいろありますが、代表的なのはRSウイルス。一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。

私たち大人がかかっても、まあ、ちょっと鼻水が出るかな?くらいの風邪で済んじゃうことが多いんですけど、これが体の小さな赤ちゃん、特に生後間もない子にとっては、ちょっと厄介な相手になることがあるんですよ。

細気管支炎の症状

最初はね、本当に普通の風邪と見分けがつかないんです。

鼻水がタラーっと出たり、コホン、コホンと軽い咳が出始めたり。

「ああ、また風邪ひいちゃったかな」と思っていると…

それがだんだん、「あれ?咳がひどくなってきたぞ?」「なんだか息をするたびに、胸のあたりからゼイゼイ、ヒューヒュー音がする…」となってくるんです。

ゼイゼイ、ヒューヒュー音の原因

なんでそんな音がするのか?

それは、さっきお話しした空気の通り道が、炎症でパンパンに腫れて、おまけに痰(たん)もたくさん絡んでくるから。

例えるなら、細ーいストローで一生懸命息をしようとしている感じ、と言ったらイメージしやすいでしょうか。

そりゃあ苦しいですよね。

見ているお父さんお母さんも、代わってあげたいくらい胸が痛みますよね。

おうちでできること

じゃあ、もし細気管支炎かもと思ったら、おうちで何ができるの?っていうのが、一番知りたいところですよね。

いくつかポイントがあるので、一緒におさらいしてみましょう。

呼吸が苦しそうな時

赤ちゃんって、真っ直ぐ寝かせると余計に咳き込んだりしませんか?

そんな時は、無理に寝かせようとしないで、縦抱きにして背中を優しくトントン…とさすってあげてください。もしくは、バスタオルなどを背中に入れて、上半身を少し高くしてあげるだけでも、呼吸はずいぶん楽になったりするんですよ。

鼻のケア

次に、お鼻!

赤ちゃんは自分で鼻かみたい!って言えないし、かめませんからね。これがまた苦しさの原因になるんです。

お鼻がジュルジュル詰まっているようなら、市販の鼻吸い器で優しく吸ってあげたり、お風呂上がりなんかに、綿棒で入り口の固まった鼻くそをそっとお掃除してあげてください。

これだけでも、ミルクの飲みが劇的に変わったりしますから、ぜひ!

室内の湿度管理

それから、お部屋の乾燥は大敵です!

空気がカラカラだと、咳も余計に出やすくなります。加湿器を使ったり、濡れたタオルや洗濯物を部屋に干したりして、お部屋が乾燥しすぎないように工夫してみてくださいね。

水分補給

そして、水分補給。つまり、母乳やミルクですね。

苦しい時は、一度にたくさん飲むことができません。飲む体力も落ちちゃってますから。

ゴクゴク飲んだ拍子に、咳き込んで全部ゲーッ!と吐いちゃったり…。

ここは焦らず、少量頻回(しょうりょうひんかい)が合言葉です。

いつもの半分くらいの量を、その代わり回数を少し増やしてあげる、そんなイメージでお願いします。

メモを取る

ここでね、ぜひやっていただきたいのがメモを取ること

何時にミルクをどれくらい飲めたか おしっこは何回出たか

昔、私が診ていたお子さんのお母さんで、本当に細かくメモ帳に書いてきてくださった方がいらっしゃって。

そのメモのおかげで、あ、昨日より飲めてるな、回復してきたぞとかちょっと飲めてないから、脱水に気をつけないととか、私たち医療者もすごく助かった経験があるんです。

難しく考えなくていいです。お守りだと思って、ぜひメモしてみてください。

病院を受診するタイミング

そして何より大事なのが、お子さんの様子をよーく見守ること

私たち小児科医の指示通りに、必要な時は何度でも受診してください。

とはいえ、様子を見ていいの?もう一度病院に行くべきなの?って、その見極めが一番難しいですよね。

ここからは、ちょっとだけ真剣なトーンでお話しします。

こんなサインが見えたら、診療時間外や休日でも、遠慮なく病院に相談してください!

  1. ステップ1:呼吸状態の悪化
    ゼイゼイ、ヒューヒューという音が、明らかに強くなってきた時。
  2. ステップ2:陥没呼吸
    息をするたびに、胸やお腹がペコペコとへこむ時。 (これは陥没呼吸(かんぼつこきゅう)といって、ものすごく頑張って息をしているサインです)
  3. ステップ3:顔色不良
    顔色や唇の色が、なんだか青白い、土気色っぽい時。
  4. ステップ4:哺乳不良・元気消失
    母乳やミルクを、いつもの半分も飲めない。ぐったりして元気がない時。

特に、生後6ヶ月未満の小さな赤ちゃんや、予定日より早く生まれた(未熟児)お子さん、生まれつき心臓や肺にご病気があるお子さんは、重症化しやすい傾向があります。

いつもと違うなんだかおかしい

そう感じたら、それはお父さんお母さんの直感です。その直感を、私たちは何より大切にしています。遠慮なんて、本当にいりませんからね。

看病するご家族へ

細気管支炎って、実は咳がスッキリ治るまでにちょっと時間がかかって、痰(たん)が絡んだような咳がしばらく続くことも多いんです。

だから、看病しているお父さんお母さんも疲れがピークに達して、私の看病が悪かったのかしら…なんて、ご自分を責めてしまうことも。

でもね、絶対にそんなことはありません。

これはウイルスが相手なんです。どんなに気をつけていても、かかる時はかかってしまうんです。

私たちは、お子さんが元気になるのはもちろん、それと同じくらい、必死で頑張っているお父さんお母さんのサポートもしたいと、心から思っています。

不安な時は、一人で抱え込まないでください。

こんなことくらいで…なんて思わずに、いつでも私たち、ユアクリニックお茶の水を頼ってくださいね。一緒に、このゼイゼイの時期を乗り越えましょう!

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