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タミータイムのススメ

今日は、タミータイム、日本語で言うところの「うつぶせ運動」について、少し理論的、かつ心を込めてお話ししたいと思います。

毎日のお世話、本当にお疲れ様です。赤ちゃんがスヤスヤ眠る姿を見ていると、それだけで癒やされますよね。でも、起きている時間の「過ごし方」について、ちょっとしたコツがあるのをご存知でしょうか。

私がまだ駆け出しの研修医だった頃、先輩の先生からこんなことを言われました。「赤ちゃんにとってのうつぶせは、大人にとっての筋トレなんだよ」と。当時は「へぇ、そうなのか」くらいに思っていましたが、多くのお子さんを診てきた今、その言葉の重みをひしひしと感じています。

タミータイムとは?

タミータイムとは、赤ちゃんが起きている間に、大人の見守りのもとでお腹を下にして過ごす時間のことです。実はこれ、オーストラリアなどの海外では、生まれた直後から推奨されているくらい、発育にとって大切な「初めてのワークアウト」なんです。

でも、ちょっと待ってください。「うつぶせって、窒息が怖くない?」と不安に思う方もいらっしゃいますよね。その直感はとても正しく、親としての素晴らしい危機管理能力です。乳幼児突然死症候群(SIDSを防ぐために「寝る時は仰向け」が鉄則ですが、それと混同して「起きている時もうつぶせはダメ」と思い込んでしまうのは、少しもったいないかもしれません。

イメージしてみてください。ずっと仰向けで過ごすのは、私たちが一日中ベッドで天井を見上げているようなものです。タミータイムを取り入れることで、赤ちゃんは自分の腕で重力に逆らい、首を一生懸命持ち上げようとします。これが、首のすわりを助け、背中や肩の筋肉を鍛えることにつながるんです。いわば、自重トレーニングですね。

タミータイムの始め方

では、どうやって始めればいいのか。私のクリニックに来るお母さんたちには、まず「カンガルーの親子」のようなスタイルをおすすめしています。

いきなり硬い床に置く必要はありません。まずはお母さんやパパがソファに深く腰掛け、自分の膝の上に赤ちゃんをうつぶせで乗せてみてください。あるいは、横になってしまい、ご自身の胸の上に赤ちゃんをうつぶせにのせてもいいですね。

赤ちゃんの顔のすぐそばに、大好きなパパやママの顔がある。トクトクという心音や、温かい体温を感じられる。これなら、うつぶせを嫌がる赤ちゃんも「おや、ここは安心だぞ」とリラックスしてくれます。

慣れてきたら、いよいよ床へのデビューです。ここで大切なのは、フカフカのクッションではなく、あえて「少し硬めのマットや畳」を選ぶこと。マシュマロの上で腕立て伏せをするのが難しいように、赤ちゃんも沈み込んでしまう場所では上手く力が入らず、呼吸もしづらくなってしまいます。

時間は、ほんの数分からで大丈夫。1日2回から4回を目安に、「おむつ替えのついでにちょっとだけ」という感覚で組み込んでみてください。もし赤ちゃんが泣き出したら、そこがその日のゴールです。「今日も頑張ったね、偉いぞ!」と抱きしめてあげてください。

最近は、スマートフォンの画面ばかりを見ている大人も多いですが、タミータイムの間だけは、スマホを置いて赤ちゃんと同じ目線になってみませんか。床に寝そべって、お気に入りのおもちゃを振ってみたり、絵本を見せてあげたり。赤ちゃんの視界が少しずつ広がっていく様子を特等席で見守るのは、何にも代えがたい豊かな時間になるはずです。

私たちユアクリニックお茶の水は、医学的な正解を押し付ける場所ではなく、ご家族と一緒に悩み、赤ちゃんの成長を喜び合うパートナーでありたいと思っています。もし「うちの子、うつぶせをすごく嫌がるんだけど大丈夫?」といった不安があれば、いつでもお話ししに来てくださいね。

赤ちゃんのペースで、ゆっくりと。世界を広げるお手伝いを楽しんでいきましょう。

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