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赤ちゃんの食物アレルギー予防の新常識

2025.12の日本小児科学会雑誌に掲載された「プライマリ・ケアでの食物アレルギー予防」(西村龍夫、日本小児科学会雑誌 129巻12号 2025)という記事を基に、食物アレルギー予防について解説します。
西村先生とはハチミツの研究でご協力させていただいたご縁があり、その研究熱心なお人柄にいつも感銘を受けています。
この記事では、特に重要な内容を皆さんにぜひ知っていただきたく、ポイントをまとめました。

アレルギー発症のメカニズム:経皮感作と経口免疫寛容

昔は「アレルギーが心配なら、卵や牛乳は遅らせましょう」というのが一般的な指導でした。しかし、現代医学ではその常識は大きく変わり、むしろ早期から少しずつ食べ始めることがアレルギー予防に繋がるという考え方が主流になっています。
その背景には、「二重曝露(にじゅうばくろ)仮説」という考え方があります。

二重曝露仮説とは?

アレルギーの原因は、口からではなく「荒れた肌」から体内に侵入することがあります。これを経皮感作(けいひかんさ)と呼び、例えば、室内に舞う微量の食物粉末が、赤ちゃんの湿疹部分から侵入するイメージです。
一方、口から食べ物が入ると、体はそれを栄養として認識し、攻撃しないように学習します。これが経口免疫寛容(けいこうめんえきかんよう)です。
つまり、皮膚からの侵入を防ぐ前に、口から食べ物を摂取することで、アレルギー反応を抑制できる可能性があるのです。

ミックスパウダーによる食物アレルギー予防

にしむら先生たちは、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんを対象に、「ミックスパウダー(MP)」を用いた試験を実施しました。
このミックスパウダーは、鶏卵、牛乳、小麦、大豆、ピーナッツ、そばの6種類を、ごく微量に混ぜ合わせたものです。
例えば、卵の場合、生卵の1900分の1という極めて微量な量から摂取を開始します。

試験結果:ミックスパウダーの効果

試験の結果、ミックスパウダーを摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて、食物アレルギーの発症が明らかに少ないという結果が出ました。
特に、検査でアレルギー反応が出始めていた赤ちゃんほど、この「早めの微量摂取」の効果が高いことが示唆されました。

卵アレルギー予防:卵白開始時期の注意点

離乳食ガイドでは、5~6か月頃から卵黄を始め、7~8か月頃から卵白に進むのが一般的ですが、アンケート調査では卵白の開始が遅れる傾向が見られます。
これは、「卵白の方がアレルギーを起こしやすい」という先入観によるものと考えられます。

卵黄だけでは不十分?

しかし、卵黄のみの摂取では、卵白アレルギーの予防には不十分な場合があります。
卵を加熱した際にアレルギーの原因となる物質(オボムコイド)は、卵黄にはごくわずかしか含まれていないためです。
日本小児アレルギー学会は「湿疹をしっかり治した上で、生後6か月から微量の全卵を摂取させるべき」と提言しています。

ユアクリニックお茶の水での取り組み

食物アレルギーは、発症すると本人だけでなく、家族や関係者にも大きな負担となります。
そのため、発症後の治療だけでなく、発症を予防するための「攻めの予防」が重要です。

ユアクリニックお茶の水では、以下の2つの柱でアレルギー予防をサポートします。

* 肌のバリア機能強化:湿疹を早期に治療し、アレルギー物質の経皮侵入を防ぎます。
* 正しい食生活の指導:血液検査の結果だけでなく、安全に少しずつ食べ進める方法を一緒に考えます。

赤ちゃんが笑顔で何でも食べられる未来のために、まずはスキンケアから始めましょう。ご心配なことがあれば、いつでもご相談ください。
私たちは、ご家族の不安に寄り添う身近な存在でありたいと思っています。

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