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海外渡航前の予防接種ガイド:安全な旅行・留学・海外赴任のために

海外への渡航を予定されている皆様へ。

渡航先での感染症リスクを軽減し、ご自身と周囲の健康を守るためには、事前の予防接種が極めて重要です。特に途上国に1ヵ月以上滞在する場合、半数以上の渡航者が何らかの健康問題を経験するというデータもあります。

本記事では、厚生労働省検疫所(FORTH)の指針に基づき、渡航前に検討すべき予防接種の種類と推奨されるケースについて解説します。

 

1. 海外渡航における予防接種の「2つの目的」

海外渡航のための予防接種は、大きく分けて以下の2つの目的があります。

① 入国時などに「証明書」が要求されるもの

国や地域によっては、特定の感染症(黄熱など)の予防接種証明書(イエローカード)を提示しなければ入国が認められない場合があります。渡航先の検疫情報の確認が必須です。

② ご自身の健康を守るためのもの

日本にはない感染症や、日本よりも流行している感染症から身を守るための接種です。ご自身の感染を防ぐだけでなく、帰国後に家族や周囲へ感染を広げない(二次感染防止)という重要な役割もあります。

 

2. 検討すべき主な予防接種とその対象者

渡航先、滞在期間、活動形態(都市部か農村部か)、およびご自身の既往歴によって必要なワクチンは異なります。

ワクチン名 主な対象者・推奨されるケース
黄熱 感染リスクのある地域(アフリカ、中南米等)へ渡航する人、入国時に証明書を求められる国へ行く人
A型肝炎 途上国に長期間(1ヵ月以上)滞在する人(特に70歳以下)
B型肝炎 現地で医療行為、血液や体液に接触する可能性のある人
破傷風 冒険旅行や屋外活動、怪我をする可能性の高い活動に従事する人
狂犬病 イヌ、キツネ、コウモリ等の動物が多い地域や、医療機関が乏しい地域へ行く人、動物に直接接触する人
日本脳炎 流行地域(東南アジア等の農村部)に長期滞在し、ブタを飼育する環境に近い人
髄膜炎菌 流行地域への渡航者、および海外留学(寮生活等)をする人
ポリオ 流行地域へ渡航する人
麻しん・風しん すべての渡航者(未接種・未罹患の場合)
新型コロナ すべての渡航者(各国の入国条件に応じる)

 

3. 地域別の推奨ワクチン(目安)

渡航地域によってリスクは大きく異なります。以下の表を参考に、医師へご相談ください。

  • 東南アジア・南アジア: A型肝炎、B型肝炎、日本脳炎、破傷風、狂犬病など

  • アフリカ・中南米: 黄熱(必須地域あり)、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、髄膜炎菌、狂犬病など

  • 欧米・オセアニア: 麻しん、風しん、破傷風、新型コロナなど(留学時は髄膜炎菌の要求が多い)

 

4. 渡航前の計画的な受診のお願い

予防接種の種類によっては、免疫をつけるために数週間から数ヶ月の間隔をあけて複数回の接種が必要なものがあります。

  • 渡航が決まったら: 少なくとも出発の2~3ヶ月前にはトラベルクリニック等の専門医療機関を受診してください。

  • 母子手帳の確認: 過去の接種歴を確認するため、受診時には母子手帳を持参することをお勧めします。

  • 最新情報の確認: 感染症の流行状況は日々変化します。厚生労働省検疫所(FORTH)の公式サイト等で最新の情報を確認しましょう。

 

当院でのご相談について

海外渡航に向けたワクチンの種類やスケジュール、渡航先の感染症情報に関するご相談を受け付けております。安全で健康な渡航のために、早めのご準備をお勧めいたします。

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