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手足口病

昔は、感染症に季節性がありました。梅雨時から夏にかけて、クリニックがにぎやかになる理由の一つが、この手足口病だったのです。

ところがCOVID-19の流行が一段落してみると、いろいろな感染症の季節リズムが代わってしまいました。手足口病を11月にみることも増えてきたというのが2025年現在での印象です。

お子さんの手のひらや足の裏、そしてお口の中に小さな水ぶくれ(水疱:すいほう と読みます)ができていたら、それは手足口病かもしれません。

この手足口病、名前の通り、症状が特徴的な場所に現れる病気です。多くは乳幼児のお子さんたちの間で流行しますが、実は大人にもうつることがあります。

「うちの子、前にもかかったはずなのに…」 そうなんです。手足口病の原因となるウイルスは、一つではありません。複数(主にエンテロウイルスやコクサッキーウイルスといった種類)あるため、一度かかったからもう安心、というわけにはいかないのが、この病気のやっかいなところですね。

手足口病の症状

主な症状は、手のひら、足のうら、口の中の小さな水ぶくれ ・(人によっては)おしりやひざにでる赤い水ぶくれです。

熱は、出ないお子さんもいれば、時に高熱が出ることもあり、個人差が大きいです。 診療室で「痛いのかな?」と心配されるお父さん、お母さんが多いのですが、手足の水ぶくれ自体には、かゆみや痛みはほとんどない場合がほとんどです。

ただし、問題はお口の中です。 口の中にできた水ぶくれは、いわば「口内炎」が一気にたくさんできたような状態。これが痛くて、食べたり飲んだりすることが難しくなるお子さんがいます。

手足口病の治療

まず大切なことをお伝えします。手足口病には、残念ながらインフルエンザのような「ウイルスそのものをやっつける特効薬」は存在しません。

基本的には、お子さん自身の免疫力でウイルスを退治し、自然に治っていくのを待つ病気です。これを自然治癒(しぜんちゆ)と言います。

「じゃあ、病院に来ても意味がないの?」

いえ、そんなことはありません。私たち小児科医の役割は、お子さんがウイルスと戦っている間、できるだけ楽に過ごせるように「お手伝い」をすることです。

  • 高熱が出てつらそうであれば、「解熱剤」
  • お口の中が痛くて泣いてしまうなら、「痛み止め」や「口の中の炎症を抑えるお薬」

これらを処方(対症療法:たいしょうりょうほう と言います)することで、つらい症状を和らげます。

ご家庭でのケア:最大の敵は「脱水」

お薬と同じくらい、いえ、それ以上に大切なのが、ご家庭でのケアです。

食事について

お口が痛い時に、無理に食べさせる必要はありません。 大人が口内炎の時に、熱いものや、お醤油、お酢、柑橘類がしみると痛いですよね。お子さんも同じです。

熱いもの、味の濃いもの(しょっぱい、すっぱい)、かたいものは避けてあげてください。 プリンやゼリー、冷めたスープ、アイスクリームなど、のどごしが良く、しみないものがお勧めです。

お風呂について

高熱がなく、お子さんが元気であれば、シャワーやお風呂に入っても構いません。さっぱりさせてあげてください。

そして、最も警戒すべきは脱水症状です。 口が痛くて水分すら飲めなくなると、体から水分が失われてしまいます。

こんなときは、もう一度クリニックへ

ご自宅で様子を見ていただくのが基本ですが、以下のサインが見られたら、迷わずもう一度受診してください。

  • お口の中が痛くて、水分をまったく受け付けない
  • (熱のせいか、脱水のせいか)ぐったりしていて元気がない
  • 高い熱が何日も続く
  • 吐き気や嘔吐が止まらない

これらは、脱水が進んでいるか、他の病気が隠れている可能性を示すサインです。

保育園・学校はいつから行ける?

手足口病は、インフルエンザのように「出席停止(何日間休む)」という明確な決まりがありません。 厚生労働省のガイドラインでは、「熱がなく、口の痛みや体調が回復し、普段通りの生活ができれば登園・登校可能」とされています。

ただし、水ぶくれの中にはウイルスがいますし、回復後も比較的長い間、便からウイルスが排出されます。集団生活に戻る際は、手洗いを徹底することが大切です。 (熱がある場合は、もちろんお休みし、医師の指示に従ってください)

手足口病は、ほとんどの場合、数日から1週間程度で自然に回復する病気です。 しかし、我が子のつらそうな姿を見るのは、ご家族にとっても大変な試練ですよね。

私たちは、その不安に寄り添い、お子さんが一日でも早く笑顔を取り戻せるようサポートします。 心配なことがあれば、どんな小さなことでも、ユアクリニックお茶の水にご相談ください。う

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