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母乳は赤ちゃんにとって理想の食品です

赤ちゃんと過ごす毎日、本当にお疲れさまです。ご自身の体調はいかがでしょうか。私も子育てを経験しましたが、慌ただしくもかけがえのない日々であったことを思い出します。

本日は、お母さん方にとって身近な「母乳」について、お話しさせていただきます。 診察室では「母乳育児のメリットは何ですか?」とご質問いただく機会がよくあります。私の答えは、いつも「非常に多くのメリットがあります」とお伝えしています。

 

母乳がもたらす数多くのメリット

なぜなら、母乳は、まさに赤ちゃんのためだけに成分が調整された理想的な栄養源と言えるからです。

特に、出産後数日間分泌される初乳(しょにゅう)は重要です。 これには免疫グロブリンA(IgA)と呼ばれる、赤ちゃんを感染症から守るための免疫物質が豊富に含まれています。 これは、赤ちゃんがご自身の力で十分な免疫(病気から身を守る力)を作れるようになるまでの間、お母さんからの移行免疫が赤ちゃんを守ってくれる、という素晴らしい仕組みなのです。

また、母乳は赤ちゃんのまだ未熟な消化器官に負担をかけず、非常に消化吸収が良いという特徴があります。そのため、母乳栄養のお子さんは、特定の感染症にかかりにくい傾向があることが知られています。

私は小児アレルギーを専門分野の一つとしていますが、母乳育児が将来のアトピー性皮膚炎や喘息の発症リスクをある程度低減させる可能性も報告されています。 もちろん、これは絶対的なものではありませんが、注目すべき利点の一つです。

しかし、私が母乳育児の素晴らしさを感じるのは、栄養面だけではありません。

授乳の時間は、お母さんと赤ちゃんが密接に触れ合い、見つめ合う貴重なひとときです。この肌と肌の触れ合いが、赤ちゃんの情緒的な安定を促し、お母さんご自身の心にも安らぎをもたらします。 これは心の栄養とも呼べる、大切な絆(きずな)の形成に繋がります。

必要な時にすぐ、適切な温度であげられるという利便性も、お母さんにとっては大きな助けになるでしょう。

それだけではありません。赤ちゃんが乳首を吸う刺激によって、お母さんの体内ではオキシトシンというホルモンが分泌されます。 このホルモンが、出産で大きくなった子宮の収縮を促し、産後の身体の回復を早める助けとなります。お母さんご自身にとっても、大きなメリットがあるのです。

母乳にはこのように赤ちゃんを守る力が備わっていますが、私自身、小児科医として最も重視しているのは予防医療です。

母乳による自然な免疫も大切ですが、成長とともに、今度はワクチンによって、より多くの重大な病気からお子さんを守ってあげる必要があります。 ユアクリニックお茶の水では、小児アレルギーに精通した医師として、アレルギーがご心配な方へのワクチン接種についても、安全に実施できるよう丁寧にご相談に応じています。

授乳中の薬の服用について

さて、もう一つ、非常によくいただくご質問があります。 薬を飲んでいる間は、授乳を中止すべきですか?というご心配です。

確かに、お母さんが服用した薬の成分が母乳中に移行することはありますが、そのために授乳を完全に中断しなければならないケースは、実はそれほど多くありません。 一般的な風邪薬や胃腸薬など、多くの薬は授乳と両立が可能です。 私も診療で小児漢方を用いることがありますが、漢方薬もお母さんと赤ちゃんに配慮しながら使いやすい選択肢の一つです。

しかし、「大丈夫だろう」とご自身で判断されるのは禁物です。不安に思われる時は、必ず私たちかかりつけ医にご相談ください。安全性を確認し、適切なアドバイスをいたします。

母乳育児が難しい場合の考え方

母乳は、赤ちゃんとお母さん双方にとって、まさに理想の食品と言えます。

ですが、最後に大切なことをお伝えします。 もし、様々なご事情で母乳育児が難しい場合や、ミルク(人工乳)を選択された場合でも、ご自身を責める必要はまったくありません。

育児において最も重要なのは、栄養の方法そのものではなく、お母さんやご家族が笑顔で赤ちゃんに愛情を注ぐことです。ミルクをあげる際も、赤ちゃんの目を見て、優しく抱きしめてあげてください。それこそが、何物にも代え難い愛情の絆を育むのです。

育児には不安や疑問がつきものです。決して一人で抱え込まず、どんな些細なことでも、私たちユアクリニックお茶の水にご相談ください。

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