大切な子どもたちを守る!ワクチンのひみつ〜VPDってなんだろう〜
こんにちは!ユアクリニックお茶の水、院長の杉原です。
今日はあいにくの雨模様ですね。でも、こんな日だからこそ、お家でゆっくりお子さんの健康について考える時間を持つのもいいかもしれませんね。
さて、今日は皆さんに、お子さんの健康と命を守る上でとっても大切な「VPD」についてお話ししたいと思います。「VPDって何だろう?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。実はこれ、「ワクチンで防げる病気(Vaccine Preventable Diseases)」の頭文字をとった言葉なんです。
ぼく、ゆうとくんのワクチン大冒険!
ある日のこと。ユアクリニックお茶の水の待合室に、元気いっぱいの男の子、ゆうとくん(4歳)がお母さんと一緒にやってきました。ゆうとくんは、最近「風邪ひいて熱が出た」と保育園を休むことが多くて、お母さんも少し心配顔です。
「杉原先生、ゆうと、最近風邪ばかりひいてしまって…」とお母さんが困ったように言いました。
「ゆうとくん、こんにちは!元気にしてたかな?風邪、辛かったね」
「うん、お熱が出たんだ。ぼく、お外で遊びたいのに…」とゆうとくんは少ししょんぼり。
そこで私は、ゆうとくんとお母さんに、VPDのお話をすることにしました。
「ゆうとくん、ちょっと面白いお話があるんだけど、聞いてくれるかな?」
「なぁに?」とゆうとくんは目をキラキラさせます。
「ゆうとくんの体の中にはね、悪いバイキンと戦ってくれる、とっても強い味方がいるんだよ。でも、バイキンの中には、とっても手強くて、その味方だけじゃなかなか勝てないバイキンもいるんだ。そんな時にね、味方を強くするための『特訓』をするのが、ワクチンなんだよ。」
ゆうとくんは「特訓?」と首をかしげています。
「そうだよ。例えばね、ゆうとくんが鬼ごっこをする時に、いつも練習していると、どんどん足が速くなるでしょ?ワクチンもそれと同じで、体があらかじめ悪いバイキンが来た時の練習をして、体が強くなるんだよ。そうすると、バイキンが来た時に、パッと戦って追い払うことができるんだ。」
お母さんは「なるほど、分かりやすい例えですね」と微笑んでくれました。
VPDは、この「特訓」つまりワクチンで防げる病気のことなんです。例えば、ゆうとくんのように元気な子でも、かかると命にかかわったり、重い後遺症が残ってしまうような怖い病気も、このVPDの中にはたくさん含まれています。
たとえば、昔はよく流行った「はしか(麻しん)」や「風しん」もVPDなんです。これらの病気は、かかると肺炎や脳炎など、重い合併症を引き起こすことがあります。また、「ポリオ」という病気は、かかると手足が麻痺してしまったり、命を落とすこともある怖い病気でした。でも、ワクチンのおかげで、日本ではほとんど見られなくなりました。これは、たくさんの人がワクチンを受けたからこそ、防ぐことができた病気なんです。
「でも、どうして日本の子どもたちは、VPDにかかってしまうことがあるんですか?」とお母さんが尋ねました。
「それはね、大きく分けて二つの理由があるんです。一つは、日本のワクチン接種率が、他の国に比べて少し低いこと。もう一つは、他の国では使えるワクチンでも、日本ではなかなか使えるようにならなかったり、任意接種(にんいせっしゅ)といって、お金がかかってしまうワクチンが多いという現状があるからです。」
任意接種とは、法律で定められていない、保護者の方が希望して受けるワクチンのことです。費用がかかるため、受けたくてもなかなか受けられないというご家庭もあるかもしれません。
もったいない!防げる病気を防がないなんて!
VPDの中には、本当にもったいない!と思う病気がたくさんあります。だって、ワクチンという「防ぎ方」があるのに、それを使わないで病気になってしまうなんて、まるでせっかく持っている傘を使わずに雨に濡れてしまうようなものです。
世界には、ワクチンがまだ開発されていない病気もたくさんあります。そんな中で、ワクチンで防げる病気はごく少数。だからこそ、せっかく防げる病気なのだから、みんなでしっかりワクチンを受けて、大切な子どもたちの命と健康を守りたいと私は心から願っています。
