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フルミストのワクチン株は日本のものと違う?それでも効果はあるの?

[2025.10.16]

こんにちは。ユアクリニックお茶の水の杉原桂です。
今回は、フルミスト(鼻から接種するインフルエンザワクチン)の「ワクチン株(せいぞうかぶ)」についてよくいただくご質問を、わかりやすくお話しします。

「ワクチン株」ってなに?

まず、「ワクチン株」とは、ワクチンを作るときに使われるインフルエンザウイルスの型(種類)のことです。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ姿を変えていくため、その年に流行しそうな型を予測して、ワクチンの「もと」を選びます。
この作業をしているのが、世界保健機関(WHO)という国際機関です。

つまり、世界中の専門家が集まって「今年はこの型が流行しそうだ」と予測し、それに基づいて各国がワクチンを作っているのです。

フルミストと日本のワクチン、なぜ違うの?

2025/2026シーズンでは、フルミストに使われているウイルス株と、日本国内で使われている「不活化(ふかつか)ワクチン(=注射のタイプ)」のウイルス株は、一部異なっています。

日本のインフルエンザHAワクチン(注射のもの)の製造株は

A/H1N1: A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)

A/H3N2: A/パース/722/2024(IVR-262)

B/Victoria: B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)

そして、フルミストは添付文書によれば

A型株 A/ノルウェー/31694/2022(H1N1)
A/パース/722/2024(H3N2)
B型株 B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統)

になります。

でも、どちらも元はWHOが推奨した株から選ばれて作られているんです。
ですから、「方向性」は同じで、世界的な流行傾向を踏まえた上で作られています。

日本でも効果は期待できる?

はい、日本でもフルミストの効果は十分に期待できます。

理由は、インフルエンザウイルスは国境を越えて広がるため、世界的な流行傾向と日本の流行が大きくズレることは少ないからです。
また、フルミストは鼻の粘膜(ねんまく)に免疫をつくる特徴があり、ウイルスが体に入ってくる「入り口」で防御をはることができます。
この「入り口の守り」が強いことで、実際に感染を防ぐ効果が期待されるのです。

杉原院長からのひとこと

私たち小児科医は、「お子さんをインフルエンザから守るために、どの方法が最適か」をいつも考えています。
フルミストも注射のワクチンも、それぞれに長所があります。
注射が苦手なお子さんには、フルミストは安心して選べる選択肢のひとつです。

大切なのは、「接種しないまま冬を迎えないこと」。
どのタイプを選ぶにしても、しっかりと予防をしておくことが一番の安心につながります。

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