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タミータイムについてもう一度考えてみよう

[2026.06.02]

うつ伏せ寝は危ない、と聞いて、ずっと仰向けで寝かせていませんか。
実は、赤ちゃんが日中うつ伏せで過ごす時間、いわゆるタミータイムが足りないと、将来の運動発達や姿勢、さらには集中力にまで影響が出ることが分かってきたのです。
20年以上、多くのお子さんと親御さんに向き合ってきた小児科専門医として、今回はこのうつ伏せの時間が持つ驚くべき効果と、無理なく日常生活に取り入れるコツを論理的にお話しします。


今回の記事は 
https://moveplaythrive.com/resources/blog/neurodevelopmental-movements-foundation-for-optimal-function/rethinking-tummy-time-2
の超訳です。


最近、こんなことでお困りではありませんか。
うつ伏せの練習をさせようとすると、赤ちゃんがすぐに泣いて嫌がってしまう。
頭の形が左右非対称だったり、絶壁気味だったりするのが気になる。
周りの子に比べて、首のすわりや寝返りの時期が少し遅いような気がする。
このような悩みを持つ親御さんは決して少なくありません。
1990年代に始まった乳幼児突然死症候群を予防するための仰向け寝推奨キャンペーン以降、赤ちゃんがうつ伏せで過ごす時間は劇的に減少しました。
安全のために仰向けで寝かせることは大切ですが、その結果として、起きている時間も含めてうつ伏せで過ごすチャンスが圧倒的に不足しているのが現代の赤ちゃんの現状です。

なぜ、赤ちゃんにとってうつ伏せの姿勢がそれほど重要なのでしょうか。
医学的に見ると、うつ伏せは単なるポーズではなく、全身の神経と筋肉を育てる最高のトレーニングだからです。
うつ伏せになると、赤ちゃんは重力に抗って頭を持ち上げたり、手足で床を押したりします。
物理学の世界ではこれを床反力と呼びますが、この床を押したときにはね返ってくる刺激が、赤ちゃんの脳や感覚器に膨大なデータを送り込みます。
さらに、うつ伏せで呼吸をすると、お腹が床に触れてリズミカルな触覚刺激が生まれます。
この自然なリズム運動が、自律神経や言語発達の基礎を作っているのです。
逆に、仰向けの時間が長すぎると、頭の骨が変形する位置的頭蓋変形症のリスクが3倍以上になり、将来の姿勢の崩れや体幹の筋力不足につながることが研究で指摘されています。

実は、意外と知られていないのが、タミータイムはお部屋の床の上だけで行うものではない、ということです。
専門的な視点からお伝えしたいのは、もっと自然な「お腹とお腹のふれあい」も立派なうつ伏せの時間であるという事実です。
お母さんやお父さんがリクライニングチェアに寄りかかり、その胸の上に赤ちゃんをうつ伏せで抱っこする。
これも立派な姿勢の発達を促すアプローチです。
霊長類は本来、お腹とお腹を合わせて我が子を抱きます。
生まれた直後の赤ちゃんが自力でお母さんの胸まで這い上がる行動も、うつ伏せだからこそできることです。
もし、赤ちゃんが床の上でのうつ伏せを嫌がるなら、それは体幹の筋力がまだ足りなくて苦しいからです。
そんな時は、無理に床に転がす必要はありません。
まずは親御さんの胸の上で、優しい体温を感じながらうつ伏せの姿勢に慣れさせてあげてください。

受診の目安と、ご家庭でできる具体的なケアについてまとめましょう。
もし、生後3か月を過ぎても首がすわる気配がない、片方の足を全く突っ張らない、あるいは頭の変形が強くて心配な場合は、一度当院へご相談ください。
ご家庭では、親御さんが床に一緒に寝そべって目線を合わせ、お歌を歌ったりマッサージをしたりしながら、1回数十秒のうつ伏せから始めてみましょう。
また、すでに大きくなったお子さんで、体幹の弱さが気になる場合でも遅くはありません。
床の上をトカゲやヘビのように這って進む遊びを取り入れることで、いつでも体幹の筋肉は鍛え直すことができます。
赤ちゃんの成長は、小さな変化の積み重ねです。
焦らず、毎日の抱っこの延長から、健やかな体幹を一緒に育てていきましょう。

 

Q 赤ちゃんがうつ伏せにするとすぐに泣いてしまいます。無理にでも続けさせた方が良いでしょうか。

A 無理に続けさせて、うつ伏せを嫌いにならせる必要はありません。赤ちゃんが泣くのは、まだ頭を持ち上げる体幹の筋力が十分に育っておらず、純粋に疲れて苦しいからです。床の上で泣いてしまう時は、まずお母さんやお父さんの胸の上でうつ伏せに抱っこすることから始めてみましょう。親御さんの顔が近くに見えて安心しますし、角度が緩やかになるため楽に姿勢を保てます。機嫌の良い時に、1日1回、数秒から試すだけで十分です。

 

Q 頭の形が平ら(絶壁)になってしまいました。うつ伏せの時間を増やせば今からでも治りますか。

A 生後数か月の早い時期であれば、起きている時間にうつ伏せで過ごす時間を増やすことで、頭のゆがみが自然に改善していく可能性は十分にあります。仰向けで寝ている時間が長すぎると、頭の自重で骨が平らになってしまいますが、うつ伏せは頭部に圧力がかからないため、骨の正常な成長を促します。ただし、首の向きに強い癖がある場合や、変形が非常に強い場合は、寝返りの発達や別の原因が隠れていることもあるため、早めに小児科を受診してください。

 

Q 赤ちゃん時代にうつ伏せの時間が足りなかった幼児ですが、今からできる運動はありますか。

A はい、何歳からでも体幹を鍛え直すことは可能です。ご家庭で遊びながらできる方法として、床の上でワニやトカゲのように這って進むお腹歩きゲームや、うつ伏せの姿勢のままでボールを転がし合うキャッチボールなどがおすすめです。これらは遊びを通じて、自然と背筋や腹筋、そして脳への感覚刺激を補うことができます。お子さんが楽しんでできる範囲で、少しずつ日常生活に取り入れてみてください。

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