Q ネットでみつけた三角頭蓋とうちの子の頭が似ていて心配です。
心配しないで!赤ちゃんの頭の形、三角頭蓋かも?と思ったら
こんにちは!ゴールデンウィークまっただなか、少しずつ日差しが強くなってきましたね。いかがお過ごしですか?小児科専門医の杉原です。
インターネットで「三角頭蓋(さんかくとうがい)」という言葉を見つけて、「うちの子の頭の形と似ているかも…」とご心配されているのですね。ネットの情報はたくさんあって、見れば見るほど不安になってしまうこともありますよね。
まず、三角頭蓋について簡単にお話ししますね。 赤ちゃんの頭の骨は、生まれてすぐはいくつかのピースに分かれていて、そのつなぎ目(縫合線(ほうごうせん)といいます)は柔らかいんです。これは、お母さんのお腹の中から出てくるときや、これから脳がぐんぐん大きくなるために必要なスペースを確保するためなんですよ。例えるなら、風船を大きく膨らませるために、最初はしぼんだ状態になっているようなものです。
三角頭蓋は、この頭の骨のつなぎ目の一部、特におでこの真ん中にある「前頭縫合(ぜんとうほうごう)」という部分が、予定より早くくっついてしまう状態(早期癒合(そうきゆごう)と言います)のことを指します。この縫合線が早くくっついてしまうと、おでこがとがったような、三角形に近い形に見えることがあるんですね。まるで、テントを張るときに、真ん中の柱だけ先に立ててしまったようなイメージでしょうか。
ネットで見た情報だけで「うちの子は三角頭蓋だ!」と判断するのは、とても難しいことです。赤ちゃんの頭の形は一人ひとり個性がありますし、寝癖などで一時的に形が変わって見えることもよくあります。
ですから、まず一番大切なのは、かかりつけの小児科の先生に相談することです。先生は、赤ちゃんの頭の形を実際に見て、触って、他の病気の可能性がないかなど、全体的に診てくださいます。
その上で、もし先生が「これは詳しく調べた方がいいかもしれない」と判断された場合には、頭の形を専門に診ている病院や、大きな病院の脳神経外科、形成外科などの専門医を紹介してくれます。
専門の病院では、必要に応じてレントゲン検査(骨の形を見る写真です)や、3D-CT検査(頭の骨の形を、もっと詳しく立体的に見ることができる検査です。輪切りの写真をたくさん撮って、コンピューターで組み立てるようなイメージです)などを行って、正確な診断をします。
心配な気持ちはよくわかります。でも、まずは慌てずに、いつも診てもらっている先生に相談してみてくださいね。それが、お子さんのための最も確実な第一歩になりますよ。
何か他に心配なことがあれば、いつでも聞いてくださいね。