未来を守る大きな一歩:日本の風しん「排除」認定と、予防接種の変わらぬ重要性
先日、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局により、日本が風しん(ふうしん)の「排除(はいじょ)」を認定されたという大変喜ばしいニュースがありました。
✅ 風しん「排除」認定の意味
この「排除」認定は、日本国内で元々住み着いていた風しんウイルスによる感染が3年間確認されていないという、公衆衛生における大きな成果を意味します。
「排除」は「撲滅(ぼくめつ:地球上からウイルスを根絶すること)」ではありませんが、国内でウイルスが定着し、流行するサイクルが途絶えたことを示します。
これは、長年にわたる予防接種の普及、特に近年行われた「風しんの追加的対策」(昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性への無料抗体検査・予防接種)による努力の結晶です。
私も昔から、ワクチンTシャツをきて診療したり、当直にいったり、自転車レースに参加したり、など、活動を続けてきましたので嬉しい気持ちになりました。
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🤰私たちが守りたかった、最も大切なこと
風しんが特に問題となるのは、妊婦さんが感染した場合です。
風しんは、発熱や発疹が出る病気ですが、妊娠初期(特に妊娠20週頃まで)に妊婦さんが感染すると、お腹の赤ちゃんに先天性風しん症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)という重い合併症を引き起こすことがあります。
先天性風しん症候群は、難聴、白内障、心臓の病気など、赤ちゃんの一生に関わる障害を引き起こす可能性があり、これを防ぐための唯一にして最大の手段が予防接種でした。
今回の排除認定は、未来の命を守るための「見えないバリア」である集団免疫が、日本で効果的に機能している証拠なのです。
先天性風しん症候群のリアルな物語はいくつかあります。
漫画のコウノドリをご存知でしょうか。ドラマで話題になったコウノドリの中の風疹のお話が3話分インターネット上で無料公開されています。漫画へはこちらから(HPに飛びます)。
「遥かなる甲子園」の漫画、映画もオススメです
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💉小児科医・杉原が伝える、今後の予防の継続
私が小児科医として、最も重視しているのはワクチンなどによる「予防医療」です。
# 1. 排除状態の「維持」が重要
排除認定はゴールではありません。海外からウイルスが持ち込まれ、再び国内で広がるリスクは常に存在します。この排除状態を「維持」し続けるためには、国民一人ひとりの継続的な努力が必要です。
# 2. 定期接種は必ず受けましょう
お子さんのMRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)は、定期接種のスケジュール通りに2回、欠かさず接種してください。これは、お子さん自身を守るだけでなく、集団免疫を維持し、ひいては社会全体を守るための大切な責任です。
# 3. 大人の風しん対策を忘れないで
特に、昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性で、まだ抗体検査や予防接種を受けていない方は、改めてお住まいの自治体が行っている無料の追加的対策の機会をぜひ活用してください。この世代への対策は、風しん排除に決定的な役割を果たしました。
ユアクリニックお茶の水では、お子様の定期接種はもちろん、大人の風しん予防接種に関するご相談も受け付けております。予防接種のスケジュールや、ご自身の抗体について疑問や不安があれば、いつでもご相談ください。
今回の認定は、私たちが未来の命をしっかりと守っていくための、大きな成果です。この希望のバトンを次の世代に繋ぐため、これからも予防への意識を高く持ち続けましょう。
