赤ちゃんの頭のかたちが、将来の歯並びに影響する?最新の研究から見えてきた真実
こんにちは。ユアクリニックお茶の水です。
外来で赤ちゃんの頭のかたちを診ていると、お父さんやお母さんから「将来、歯並びが悪くなったりしませんか?」「ずっと頭痛に悩まされたりしないでしょうか?」と切実なご相談をいただくことがよくあります。わが子の将来を思えばこそ、心配になるのは当然ですよね。
正直に申し上げますと、私自身は、中等症以下のゆがみであれば、そこまで過度に怖がりすぎる必要はないと考えています。でも、リスクがゼロではないのもまた事実。
今回は、最近発表された興味深い論文(Association between cranial morphology and dysgnathias in adolescents and adults)を紐解きながら、頭のかたちと歯並びの意外な関係について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
Association between cranial morphology and dysgnathias in adolescents and adults: A prospective case–control study
まるで「家の土台」と「玄関の扉」の関係
この研究では、146人の成人や若者を対象に、頭の形と噛み合わせ(不正咬合)の関係を詳しく調べています。
結果をひとことで言うと、頭の前後幅が短い「短頭(たんとう)」、いわゆる絶壁と言われるかたちと、下顎が前に出る「受け口(クラスIII不正咬合)」には、統計的に有意な関連があることがわかりました。
これをわかりやすく例えるなら、家の土台(頭蓋骨)が歪んだり形が変わったりすることで、そこに取り付けられている玄関の扉(あごの骨や歯列)の建て付けが悪くなってしまうようなイメージです。
耳の位置がズレると、あごもズレる?
もう一つ、この研究で注目すべきなのは、耳軸オフセット(耳の位置の左右のズレ)です。
耳の位置が前後にズレていると、噛み合わせの異常が起こりやすいという結果が出ました。
あごの関節は、耳のすぐ近くにありますよね。土台となる頭蓋底(あたまの底の部分)のかたちが変わることで、あごを支えるポイントがズレてしまい、結果として歯並びに影響する可能性があるのです。
安心してください。大人になると目立たなくなることも。
ここで、皆さんに少し安心していただけるデータも紹介します。
この研究の参加者のうち、重度のゆがみ(非対称)を持っていた人は、わずか1割程度でした。これは、赤ちゃんの頃にゆがみがあっても、成長とともに脳が大きくなり、骨がしっかりしてくる過程で、多くの場合は自然と目立たなくなっていくことを示唆しています。
私たちが大切にしていること
私たちは、数字やデータだけで判断することはありません。そこには、毎日お子さんを抱きしめ、不安な夜を過ごしている保護者の方の感情があるからです。
「あのとき、ヘルメット治療をしておけばよかった……」
「自分の寝かせ方が悪かったのかな……」
そんな風に自分を責めないでください。頭のかたちは、寝かせ方だけでなく、お腹の中にいた時の向きや、もともとの骨の性質など、さまざまな要因が重なって決まるものです。
もし、今のゆがみが「将来のリスク」になるほど重いものなのか、それとも「個性」の範囲内なのか。一人で悩まずに、ぜひ一度私たちに相談してください。
最新の医学的な知見を持ちつつも、皆さんの不安に寄り添うパートナーでありたい。それが、ユアクリニックお茶の水の願いです。
