🚨6歳からの急増に注意!「近視」は未就学児から始まっている!〜子どもの目の守り方〜
皆さん、こんにちは!ユアクリニックお茶の水の院長、杉原桂です。私は、小児アレルギーや小児漢方にも精通していますが、何よりも大切にしたいのはお子さんの「予防」です。特に、最近心配されているのが、子どもの「近視(きんし)」の低年齢化です。
「うちの子はまだ小さいから大丈夫」と思っていませんか?実は、最新の研究で、6歳を過ぎた年長さんで近視が急増しているという、見逃せない結果が報告されました。
今回は、この研究結果を基に、お父さん・お母さんに知ってほしい「子どもの近視」の現状と、すぐにできる対策について、小児科医の視点からわかりやすくお話しします。
衝撃の研究結果!6歳を過ぎると近視が4.5倍に急増
私たちが今回注目した研究は、野末富男先生、阿部祥英先生によって報告されたものです。
阿部先生は大学時代、私の1つ下の学年でした。サッカー部で一緒だった時期もあります。僕が小児科医として一番すぐれた仕事を1つあげよ、と言われたら、阿部先生を小児科に勧誘して成功したことでしょう。
この研究では、8カ所の保育園に通う年長児253名のお子さんを対象に、6歳になる前の春と、6歳を過ぎた卒園前の3月の2回、スポットビジョンスクリーナーという器械を使って、近視の検査を行いました。
🔍 専門用語を解説!
近視(きんし):目のピントが合わない状態の一つで、遠くのものが見えにくい状態です。眼球の奥行き(眼軸長)が伸びすぎることが主な原因で、一度進むと元には戻りません。
スポットビジョンスクリーナー:カメラのように覗くだけで、お子さんの近視、遠視、乱視などを短時間で測定できる機器です。乳幼児健診や保育園・幼稚園での検査に使われています。
研究でわかった衝撃の事実
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検査1回目(6歳前の春):近視のお子さんは2.4%(6人)でした。
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検査2回目(6歳を過ぎた3月):近視のお子さんは10.7%(27人)へと増加!
たった1年足らずで、近視の頻度が約4.5倍にも急増していたのです。これは、小学校入学が近づく6歳という節目に、お子さんの目が環境の変化などの影響で大きく変化していることを示しています。
園庭の有無で差は出る?外遊びの重要性
この研究では、もう一つ、私たち保護者が注目すべき結果が出ています。それは、「園庭の有無」と「近視の頻度」の関係です。
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園庭のない保育園の子:近視の頻度は13.8%
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園庭のある保育園の子:近視の頻度は7.0%
統計的な「有意差(ゆういさ)」(偶然ではない確かな差)は出ませんでしたが、園庭のない保育園の方が、近視の頻度が約2倍高かったという結果は非常に示唆に富んでいます。
これは、やはり「外遊び」がお子さんの目を守る上で、非常に大切であることを強く示唆しています。
💡 身近な例え話 近視予防にとって「外の光」を浴びることは、目のスイッチを入れるようなものです。外の明るい光(特に太陽光)には、眼球の奥行きが伸びすぎるのを抑える物質(ドーパミンなど)を出す働きがあると言われています。おうちの中で電気をつけているよりも、公園で元気に遊んでいる方が、目が守られるというイメージですね。
院長からのアドバイス:いますぐ始める近視対策
近視は一度進むと治すのが難しく、将来的に失明(しつめい)につながるような重い病気のリスクを高めてしまうことも懸念されています。だからこそ、予防が何よりも大切です。
当院(ユアクリニックお茶の水)では、小児アレルギーや小児漢方にも力を入れていますが、私の最大の願いは「予防」です。この研究結果を受けて、保護者の皆さんには以下の対策をぜひ実践していただきたいと思います。
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毎日2時間の「屋外活動」を目標に!
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この研究の結論でも提言されていますが、毎日2時間以上、屋外で遊ぶことを意識しましょう。保育園や幼稚園の送り迎えの時間でも、公園で少し寄り道するだけでも効果があります。
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週末だけの対策ではなく、平日の習慣にすることが重要です。
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デジタル機器との「距離」と「時間」を意識!
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スマホやタブレットを見る時は、30cm以上離れるように声をかけましょう。
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30分使ったら、必ず5〜10分は目を休ませる「休憩ルール」を導入しましょう。お子さんとの約束事にすると、守りやすくなります。
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「定期的な眼科・小児科でのチェック」を!
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近視は自分では気づきにくいものです。特に6歳のお子さんは、小学校入学前にスポットビジョンスクリーナーなどを使った検査を受け、早期に目の状態を把握しましょう。
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近視の進行を止めるためには、早く気づいて、早く対策を始めることが鍵です。何かご心配なことがあれば、小児アレルギーや漢方にも精通しているユアクリニックお茶の水の杉原に、どうぞお気軽にご相談ください。私たちと一緒に、お子さんの健やかな成長をサポートしていきましょう。
