ユアクリニックお茶の水の院長、杉原 桂です。

私は、お子さんを病気から守る「予防」、特に安全なワクチン接種を最も重視しています。

今日は、鼻にスプレーするインフルエンザワクチン「フルミスト」を、もっと安全に、効果的に受けていただくために、私たちが特に大切にしている5つのルール（重要な基本的注意）と、その理由についてお話しします。

これは、フルミストが生ワクチン（力を弱めたウイルスを使う）であるからこそ、みんなで守ってほしいお約束なんです！

 

🌟 接種前後で守ってほしい「5つの大切なお約束」

お約束 1：ルールに則って正しく使うこと

• 【内容】 私たち医師は、国が定めた「予防接種の実施に関するルール」にしっかりと従って、フルミストを使用します。

• 【理由】 ワクチンは、対象年齢や接種間隔など、安全と効果が証明された正しい方法で使うことが、何よりも大切だからです。

お約束 2：接種前の「問診・検温・診察」を必ず受けること

• 【内容】 接種の直前に、必ずお医者さんが問診（体調の聞き取り）、検温、そして診察（聴診器で胸の音を聞くなど）を行います。

• 【理由】 体調が万全でない時にワクチンを接種すると、副反応が強く出たり、体に負担がかかったりする可能性があります。お子さんが今日、ワクチンを接種しても大丈夫な状態かを、私の目と耳で最終確認するためです。

お約束 3：ゼラチンアレルギーの有無を教えて！接種後30分は院内で過ごしてね

• 【内容】 フルミストには、安定剤として「ゼラチン」が含まれています。過去にゼラチンを含む食品や薬で、ひどいアレルギーが出たことがないか、しっかりと確認させてください。また、接種後30分程度は、すぐに処置ができるよう院内で様子を見させてください。

• 【理由】 ごくまれに、ゼラチンに対してショックやアナフィラキシー（急に起こる重いアレルギー）が起こる可能性があるからです。アレルギー反応の多くは接種後すぐに起こりますので、万が一に備えて観察することがとても大切です。

お約束 4：接種当日の過ごし方と、その後の体調変化に注意すること

• 【内容】

  • 接種当日は、激しい運動や負荷の大きい遊びは避けて、静かに過ごしましょう。

  • 接種後も、しばらくはお子さんの様子をよく観察してください。

  • 高熱など、いつもと違う体の変化や異常な症状が見られたら、すぐに私たちに連絡して診察を受けてください。

• 【理由】 接種後の体は免疫を作るために働いています。激しい運動は体に負担をかけますし、もし副反応が出た場合にすぐに気づけるように、おうちの方にしっかり見守ってほしいからです。

お約束 5：接種後1〜2週間は、特に免疫力が弱い人への配慮をお願いします

• 【内容】 フルミストは生ワクチンなので、接種後1〜2週間は、ごくまれにワクチンウイルスが鼻水などと一緒に外に出てしまう（水平伝播）可能性があります。そのため、お子さんが「重度の免疫不全（病気などで、病気と戦う力がとても弱いこと）の方」と密接に触れ合うことは、できる限り避けてください。

• 【理由】 ウイルスが外に出てしまう可能性はとても低いですが、もし重度の免疫不全の方にウイルスが移ってしまうと、ごくまれに病気を引き起こしてしまうリスクがあるためです。安全のために、ご家族や身近な方にこのルールを共有して、ご協力をお願いします。

 

👨‍⚕️ 院長からのまとめ

フルミストは、注射の痛みがない、素晴らしいインフルエンザ予防法の一つです。

しかし、そのメリットを最大限に活かし、安全に接種するためには、今日お話しした5つの大切なお約束を守っていただく必要があります。

私たち小児科医は、小児アレルギーや小児漢方の知見も活かして、お子さん一人ひとりの健康状態を細かくチェックし、最善の予防を提供することに努めます。

お子さんの安全について疑問や不安があれば、いつでもユアクリニックお茶の水の私、杉原にご相談くださいね！