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「喉がイタイ!どうしよう?」はるとくんの大冒険

[2025.06.09]

今日は、お子さんがよくかかる「溶連菌性咽頭炎」について、お話したいと思います。この病気は、喉が痛くなったり、熱が出たり、手足に赤いポツポツが出たりすることもある、ちょっとやっかいな感染症です。でも、ご安心ください。適切な治療をすれば、しっかり治りますよ。

「喉がイタイ!どうしよう?」はるとくんの大冒険

(これは、フィクションです)。ユアクリニックお茶の水の近くに住む、小学校1年生の元気いっぱいな6歳のはるとくんは、ある日の朝、ベッドからなかなか起き上がれませんでした。「ママ…、喉が痛い…」と、いつもの元気がない声でつぶやきます。前日まで、学校の運動会に向けて、大きな声で応援歌を歌っていたのに、その日は大好きな給食も「痛いから食べられない…」と、しょんぼり。お母さんが心配して喉を見てみると、喉の奥だけでなく、はるとくんの舌が真っ赤に腫れ上がっていて、まるで「イチゴ」のようにツブツブしていました。

熱も38度を超え、はるとくんはぐったり。お母さんは、「これはただの風邪じゃないかも…」と不安になり、すぐにユアクリニックお茶の水に連れてきてくれました。

私の診察で、はるとくんの喉と舌を診ると、やはり溶連菌の可能性が高いと判断しました。溶連菌という細菌は、喉の奥に住み着いて、炎症を起こす悪い菌なんです。例えるなら、喉の中に、目に見えない小さなイタズラっ子たちが集まって、悪さをして喉を荒らしているようなものですね。

そこで、すぐに検査をすることにしました。喉の奥を綿棒でちょこっとこすり取るだけの簡単な検査で、すぐに結果が出ます。

しかし、のどの検査を極端にいやがる子も多いのです。どこかで嫌な体験があったのでしょうね。

大人でもいきなり喉に棒をいれられてグリグリされたらいやですよね。私は子どもたちが病院嫌いにならないように、少しだけ工夫をしています。

まずほっぺでぐりぐり。大丈夫? うん

はんたいのほっぺでぐりぐり。大丈夫? うん

つぎはべろの下でぐりぐり。大丈夫? うん

はんたいでぐりぐり。大丈夫? うん

つぎはべろの上だよ。大丈夫? うん

つぎはお口の上だよ。くすっぐったいかもしれないよ。うん

最後だけ、おえっとなってもいいよ。ここで本当の扁桃腺の膿をぬぐいます。

これだけ準備をしておくと、子どもたちも協力的になってくれることが多いのです。

はるとくんは、ちょっとだけ「くすぐったい!」と声を上げましたが、すぐに終わり、結果は陽性。やはり溶連菌でした。

「はるとくん、頑張ったね。大丈夫、溶連菌をやっつけるお薬を飲めば、すぐに元気になるからね」

私ははるとくんに優しく声をかけ、お母さんにはお薬の説明をしました。溶連菌は、ペニシリン系抗菌薬という種類のお薬がとてもよく効きます。「抗菌薬(こうきんやく)」というのは、細菌を退治する特別な薬のことですよ。

しかし、ここが大事なポイントなのですが、熱が下がったり、喉の痛みがなくなったりしても、途中で飲むのをやめてしまうと、またぶり返してしまうことがあるんです。ひどい時には、「リウマチ熱」という、別の病気を引き起こしてしまうこともあります。「リウマチ熱」は、溶連菌に感染した後、体の免疫が異常な反応を起こして、関節や心臓、脳などに炎症が起きてしまう病気です。熱や関節の痛みが出たり、ひどい場合は心臓の弁に影響が出たり、自分の意思とは関係なく体が動いてしまうなどの症状が出ることがあります。名前が似ていますが、大人に多い「関節リウマチ」とは違う病気なので、注意が必要ですよ。これは、例えるなら、悪いイタズラっ子たちを追い出すために、しっかりお掃除をしないと、またすぐに散らかされてしまうようなもの。だから、指示された期間、しっかり最後までお薬を飲み続けることが、とっても大切なんです。はるとくんのお母さんも、真剣な顔でうなずいてくれました。

お薬を飲み始めて1日経つと、はるとくんの熱は下がり、喉の痛みもだいぶ楽になりました。

薬を飲み始めて24時間たてば、人に移す力はなくなります。なので登校や登園も許されます。

はるとくんはすっかり元気になり、学校にも行けるようになりました。そして、10日間しっかりお薬を飲み続けて治療終了となりました。元気になったはるとくんが、また大きな声で運動会の歌を歌っていると聞いて、私も本当に嬉しくなりました。

杉原先生からのアドバイス!溶連菌から家族を守る3つのポイント

はるとくんのように、溶連菌性咽頭炎は、しっかり治療すれば大丈夫な病気です。でも、お家で気をつけてほしいことがいくつかありますので、ご紹介しますね。

  1. ご家族にも注意を!

    溶連菌は、人から人へうつる病気です。はるとくんのように、お子さんが溶連菌になったら、兄弟やご両親にも同じような症状が出ていないか、注意してあげてください。もし、喉が痛い、熱っぽいなどの症状があれば、早めに受診して、喉の検査を受けてくださいね。家族みんなで、協力して菌をやっつけましょう!

  2. 食べ物に気をつけよう!

    喉が痛いと、ご飯を食べるのも辛いですよね。そんな時は、熱いものや辛いもの、すっぱいものなど、喉に刺激を与えるものは避けてあげてください。例えるなら、喉に優しく、お風呂に入れるような、とろとろしたゼリーやプリン、冷たいスープなどがおすすめです。喉ごしの良いものを中心に、食べやすいものを選んであげてくださいね。

  3. お風呂は大丈夫?

    熱がなければ、お風呂に入っても大丈夫ですよ。でも、熱がある時は、無理に入ると体力を消耗してしまうので、お休みしましょう。熱が下がって元気になったら、さっぱり汗を流して、気持ちよく過ごしてくださいね。

こんな時はもう一度ユアクリニックお茶の水へ!

  • 1日2日たっても熱が下がらない:お薬を飲んでいるのに、なかなか熱が下がらない時は、もしかしたら他の病気が隠れているかもしれません。
  • 喉の痛みが強くて水分があまり飲めない:喉が痛すぎて、水分もとれない状態だと、脱水症状になってしまう危険性があります。水分が体に足りなくなる「脱水症状」は、放っておくと危険なので、早めに受診しましょう。
  • 1~2週間後に、元気がない、顔がむくんでいる、血尿(おしっこが赤い)がある:溶連菌の治療後、まれに「急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)」という合併症を起こすことがあります。これは、腎臓という、体のいらないものを外に出してくれる大事な臓器が、炎症を起こしてしまう病気です。このような症状が出たら、すぐに受診してください。

保育園・学校へはいつから行けるの?

抗菌薬を飲み始めてから24時間以上経っていて、かつ、熱が下がっていれば、他の子にうつしてしまう心配はほとんどありません。必要なら主治医の許可をもらって、保育園や学校に登園(登校)してくださいね。

尿検査はいらないの?

たしかに、昔は溶連菌感染後の糸球体腎炎を心配して、溶連菌に感染したお子さんは全員、後日に尿検査をして腎炎になっていないかの検査をしていたという時代もありました。しかし、今はそうではありません。理由については別の記事にまとめますね。

 

ユアクリニックお茶の水では、私も含めスタッフ一同、お子さんとご家族の健康を第一に考えています。溶連菌性咽頭炎だけでなく、小児アレルギーや小児漢方など、お子さんの様々な症状に対応しています。特に、杉原院長の私は予防医学にも力を入れており、お子さんが安全にワクチン接種を受けられるよう、様々な工夫をしています。

お子さんのことで何か心配なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。私たちと一緒に、お子さんの健やかな成長をサポートしていきましょう!

 

「あかりちゃん、頑張ったね。大丈夫、溶連菌をやっつけるお薬を飲めば、すぐに元気になるからね」

私はあかりちゃんに優しく声をかけ、お母さんにはお薬の説明をしました。溶連菌は、ペニシリン系抗菌薬という種類のお薬がとてもよく効きます。しかし、ここが大事なポイントなのですが、熱が下がったり、喉の痛みがなくなったりしても、途中で飲むのをやめてしまうと、またぶり返してしまうことがあるんです。ひどい時には、リウマチ熱という別の病気を引き起こしてしまうこともあります。これは、例えるなら、敵の基地を攻撃している途中で「もう大丈夫!」と手を緩めてしまうと、敵がまた勢力を盛り返してきてしまうようなもの。だから、指示された期間、しっかり最後までお薬を飲み続けることが、とっても大切なんです。あかりちゃんのお母さんも、真剣な顔でうなずいてくれました。

お薬を飲み始めて1日経つと、あかりちゃんの熱は下がり、喉の痛みもだいぶ楽になりました。そして、10日間しっかりお薬を飲み続けると、すっかり元気になり、保育園にも行けるようになりました。元気になったあかりちゃんが、また大きな声でアンパンマンの歌を歌っていると聞いて、私も本当に嬉しくなりました。

杉原先生からのアドバイス!溶連菌から家族を守る3つのポイント

あかりちゃんのように、溶連菌性咽頭炎は、しっかり治療すれば大丈夫な病気です。でも、お家で気をつけてほしいことがいくつかありますので、ご紹介しますね。

  1. ご家族にも注意を! 溶連菌は、人から人へうつる病気です。あかりちゃんのように、お子さんが溶連菌になったら、兄弟やご両親にも同じような症状が出ていないか、注意してあげてください。もし、喉が痛い、熱っぽいなどの症状があれば、早めに受診して、喉の検査を受けてくださいね。家族みんなで、協力して菌をやっつけましょう!

  2. 食べ物に気をつけよう! 喉が痛いと、ご飯を食べるのも辛いですよね。そんな時は、熱いものや辛いもの、すっぱいものなど、喉に刺激を与えるものは避けてあげてください。例えるなら、喉に優しく、お風呂に入れるような、とろとろしたゼリーやプリン、冷たいスープなどがおすすめです。喉ごしの良いものを中心に、食べやすいものを選んであげてくださいね。

  3. お風呂は大丈夫? 熱がなければ、お風呂に入っても大丈夫ですよ。でも、熱がある時は、無理に入ると体力を消耗してしまうので、お休みしましょう。熱が下がって元気になったら、さっぱり汗を流して、気持ちよく過ごしてくださいね。

こんな時はもう一度ユアクリニックお茶の水へ!

  • 1日2日たっても熱が下がらない:お薬を飲んでいるのに、なかなか熱が下がらない時は、もしかしたら他の病気が隠れているかもしれません。
  • 喉の痛みが強くて水分があまり飲めない:喉が痛すぎて、水分もとれない状態だと、脱水症状になってしまう危険性があります。
  • 1~2週間後に、元気がない、顔がむくんでいる、血尿(おしっこが赤い)がある:溶連菌の治療後、まれに「急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじんえん)」という合併症を起こすことがあります。これは、腎臓という、体のいらないものを外に出してくれる大事な臓器が、炎症を起こしてしまう病気です。このような症状が出たら、すぐに受診してください。

保育園・学校へはいつから行けるの?

抗菌薬を飲み始めてから24時間以上経っていて、かつ、熱が下がっていれば、他の子にうつしてしまう心配はほとんどありません。主治医の許可をもらって、保育園や学校に登園(登校)してくださいね。

ユアクリニックお茶の水では、私も含めスタッフ一同、お子さんとご家族の健康を第一に考えています。溶連菌性咽頭炎だけでなく、小児アレルギーや小児漢方など、お子さんの様々な症状に対応しています。特に、杉原院長の私は予防医学にも力を入れており、お子さんが安全にワクチン接種を受けられるよう、様々な工夫をしています。

お子さんのことで何か心配なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。私たちと一緒に、お子さんの健やかな成長をサポートしていきましょう!

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