赤ちゃんの頭の形、気になる?向き癖と頭のゆがみのお話
赤ちゃんの頭の形、気になる?向き癖と頭のゆがみのお話
こんにちは、小児科専門医の杉原です。
今日は、赤ちゃんを育てているお父さん、お母さんからよくご相談いただく「赤ちゃんの頭の形」について、特に「向き癖」と「頭のゆがみ」についてお話したいと思います。
「うちの子、いつも同じ方向を向いて寝ているんです」「頭の形がちょっといびつで心配…」そんな風に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。でも大丈夫!このブログを読んでいただければ、きっと赤ちゃんの頭の形に関する不安が少し軽くなると思います。
昔々、あるところに…
ある日、ユアクリニックお茶の水に、生後3ヶ月の小さな赤ちゃん、はるかちゃんがママと一緒にやってきました。はるかちゃんは、いつも右ばかり向いて寝てしまう「向き癖」があるそうで、ママははるかちゃんの頭の形が少し平らになっていることを心配していました。
「先生、はるか、いつも右ばかり向いて寝ていて、頭の形がちょっと心配なんです…」ママは少し不安そうな顔で尋ねました。
私は、はるかちゃんの頭の形をそっと触って確認しました。確かに、右側が少し平らになっているようです。でも、はるかちゃんは元気いっぱいで、ニコニコと私に微笑みかけてくれました。
「お母さん、はるかちゃんの向き癖、気になりますよね。でも、安心してくださいね。多くの赤ちゃんに見られることなんですよ。」私は優しくママに語りかけました。
「どうしていつも同じ方向を向いちゃうんでしょうか?」ママは不思議そうに聞きました。
「それはね、赤ちゃんにも『好きな向き』があるからなんです。例えば、お母さんも寝るときに、いつも決まった方向を向いて寝ることがありませんか?それと同じで、赤ちゃんも自分が落ち着く方向、寝心地の良い方向があるんです。」
ママは「あぁ、なるほど!」と頷いてくれました。
「それに加えて、赤ちゃんの頭の形も関係していることがあるんですよ。」私は続けました。「もし、はるかちゃんの頭が、例えば右側が少し平らになっているとしますよね。そうすると、平らな右側を下にして寝る方が、頭が安定して、赤ちゃんにとって寝心地が良いと感じるんです。まるで、ちょっとだけへこんだところにボールが自然と転がり込むようなイメージですね。だから、ますますその方向を向いて寝ることが増えてしまうんです。これが『習慣化』といって、だんだんとその向きでしか寝ないようになってしまうことがあるんです。」
ママは真剣に話を聞いてくれました。
「この向き癖が長く続くと、どうなるんでしょうか?」ママは少し心配そうに尋ねました。
「向き癖がずっと続くと、確かに頭のゆがみが進んでしまうことがあります。これを『頭蓋変形(ずがいへんけい)』と言います。頭の骨は、まだ柔らかいので、同じ場所にずっと圧力がかかると、その部分が平らになってしまうことがあるんです。
でも、安心してください。はるかちゃんのように、早めに気づいて対処してあげれば、改善することも多いんですよ。
じゃあ、どうしたらいいの?
ママは「じゃあ、どうしたらいいんですか?」と前のめりになりました。
「まず大切なのは、『赤ちゃんの頭の向きをこまめに変えてあげる』ことです。例えば、寝かせるときは、いつもと反対の方向を向かせてあげるとか、お昼寝のときに、頭の向きを変えてあげるとかですね。
もし、赤ちゃんが反対を向きたがらないようでしたら、赤ちゃんの興味を引くもの、例えばおもちゃや窓からの光などを、赤ちゃんが向きを変えやすい方向に置いてあげるのも良い方法です。まるで、おやつで猫を誘うように、赤ちゃんの視線を誘導してあげるイメージです。」
ママは「なるほど!試してみます!」と明るい表情になりました。
「それから、『うつ伏せ遊び(タミータイム)』も有効ですよ。」私は続けました。「赤ちゃんが起きているときに、大人が見守りながら短い時間うつ伏せにしてあげるんです。そうすると、首の筋肉が鍛えられて、自分で頭を動かせるようになるので、向き癖の改善にも繋がります。初めてうつ伏せにする時は、赤ちゃんが嫌がらないか様子を見ながら、少しずつ時間を伸ばしていきましょうね。まるで、初めて自転車に乗る練習をするように、最初は短時間から始めるのがポイントです。」
ママは「うつ伏せ遊び、やってみます!」と意欲的でした。
「あとは、お母さんや周りの方が、赤ちゃんの頭の形をあまり気にしすぎないことも大切です。もちろん、適切な対処は必要ですが、頭の形が多少いびつでも、赤ちゃんの成長にはほとんど影響ありません。一番大切なのは、赤ちゃんが元気に育ってくれることですからね。」
最後に私は付け加えました。「もし、どうしても頭のゆがみが気になる場合や、なかなか改善しない場合は、当クリニックで専門的なご相談も承っています。ベビーヘルメットという治療法もありますので、必要であればご案内しますね。」
ママは笑顔で「先生、ありがとうございます!今日から早速試してみます!」と言って、はるかちゃんを抱きしめて帰っていきました。
杉原院長からあなたへ
はるかちゃんのママのように、赤ちゃんの向き癖や頭のゆがみが気になるお父さん、お母さんは少なくありません。赤ちゃんはみんな個性があって、それぞれに成長していきます。
ユアクリニックお茶の水では、赤ちゃんの健やかな成長をサポートできるよう、様々なご相談に応じています。ベビーヘルメットに関するご相談はもちろん、小児アレルギーや小児漢方も得意としています。
でも、私が一番大切にしているのは「予防」です。病気になる前に、できることをする。その一つが、ワクチンを安全に、そして確実に受けてもらうことです。お子さんが元気に毎日を過ごせるよう、予防接種に関するご相談もお気軽にどうぞ。
