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赤ちゃんの頭の形、心配なママ・パパへ。ヘルメット治療は必ず必要?

[2025.05.07]

こんにちは!だんだんと日差しが強くなり、初夏を感じる季節になりましたね。小児科専門医の杉原です。

さて、今回は赤ちゃんの頭の形について、お父さんやお母さんからよくいただくご質問にお答えしたいと思います。「赤ちゃんの頭のゆがみは、必ずヘルメットで治さないといけないの?」というご心配、よくわかります。

結論から言うと、必ずしもヘルメット治療が必要なわけではありません。

むしろいらない人のほうが多いです。

「頭のかたち外来」といった専門の窓口がある大学病院や専門の医療機関では、まず赤ちゃんの頭のゆがみがどの程度なのかをチェックします。これは、お医者さんが目で見て形を確認する「視診(ししん)」と、実際に手でそっと触って頭の形や硬さを確かめる「触診(しょくしん)」という方法で行います。病院によっては、より詳しく調べるために追加で検査をすることもありますが、これは有料になることもあります。

もし頭にゆがみが見つかった場合、次はお医者さんが「どうしてゆがんでいるのかな?」という原因を探ります。例えば、何か病気が隠れていて頭の形に影響している「病的な原因」がないかを慎重に判断します。

そして、病院に来てくれた赤ちゃんの月齢(生まれてからの月数ですね)や、頭のゆがみの程度によっては、すぐに特別な治療を始めるのではなく、日常生活での工夫(例えば、寝かせ方や抱っこの仕方を少し変えてみるなど)のアドバイスを受けて、しばらく様子を見守る「経過観察(けいかかんさつ)」になることも多いんですよ。中には、その後の通院は特に必要ないと判断されるお子さんもたくさんいらっしゃいます。

「うちの子、ゆがみが大きいって言われたらどうしよう…」と不安に思うかもしれませんね。もし、ゆがみが大きい「重度(じゅうど)」と診断されたとしても、ヘルメットを使った矯正治療を絶対にしなければならない、というわけではありません。これは、例えば虫歯が見つかった時に、すぐに削って詰める治療だけでなく、進行を抑えるお薬を塗ったり、フッ素を塗ったり、いろいろな選択肢があるのに似ています。

お医者さんは、赤ちゃんの頭の状態や、ヘルメット治療をするとしたらどんなことが期待できて、どんなことに気をつける必要があるのか、といったことを詳しく説明してくれます。その説明をじっくり聞いた上で、ご家族でよく話し合って、「よし、やってみよう!」と決めることもできますし、「うーん、今回はやめておこうかな」と判断することもできます。大切なのは、お医者さんの話をしっかり理解して、ご家族で納得して決めることです。

赤ちゃんの頭の形は、成長とともに自然に変わっていくことも多いです。心配なことがあれば、まずはかかりつけの小児科医に相談したり、専門の医療機関を受診してみるのがおすすめです。一人で悩まず、専門家と一緒に赤ちゃんの健やかな成長を見守っていきましょうね。

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