大阪万博、麻しん対策大丈夫かな
皆さんこんにちは。小児科医の杉原です。
今日は、最近ちょっと耳にする機会が増えた「麻疹(はしか)」について、お話ししますね。
麻疹ってどんな病気?
麻疹は、とっても感染力が強い病気なんです。「空気感染」といって、ウイルスが空気中を漂って、それを吸い込むことでうつります。
たとえば、お部屋の中で誰かが麻疹にかかっていたら、その人が咳やくしゃみをした時にウイルスが空気中に広がります。そして、そのお部屋にいる人がその空気を吸い込むと、うつってしまう可能性があるんです。
麻疹にかかると、だいたい10日くらいの潜伏期間を経て、次のような症状が出てきます。
- 高熱
- 咳
- 鼻水
- 目の充血
- 体に発疹(ブツブツ)
小さいお子さんや、免疫力が弱い人がかかると、肺炎や脳炎といった重い合併症を起こすこともあります。昔は、麻疹で亡くなるお子さんもいたんですよ。
麻疹はもう過去の病気じゃないの?
日本は2015年に、麻疹のウイルスが国内からいなくなったとして、世界保健機関(WHO)から「排除状態」と認められました。これは、日本国内で麻疹の感染が完全に無くなったというわけではなく、国内での持続的な感染がない状態ということです。
でも、海外から麻疹のウイルスがやってきて、感染するケースが今でもあります。
特に最近は、海外で麻疹が流行している地域があって、そこから日本にウイルスが持ち込まれる心配があるんです。
最近の麻疹の状況
実は、今年の3月に入ってから、都市部で麻疹の患者さんが増えてきているんです。
中には、どこで感染したのかわからないケースもあって、病院の先生たちも対応に困っている状況です。
4月からは、大阪で万博も開催されますよね。国内外からたくさんの人が集まるので、麻疹の感染が広がらないように、みんなで気をつけないといけません。
麻疹から身を守るには?
麻疹には、残念ながら特効薬はありません。でも、一番効果的な予防方法は「ワクチン接種」です!
麻疹のワクチンを2回接種することで、ほとんどの人が麻疹にかからずに済みます。
小さい頃に定期接種で麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)を2回接種しているはずですが、念のため母子手帳などで確認してみてください。
もし、麻疹かな?と思う症状が出たら、すぐに病院に行くのではなく、まずは病院に電話で相談してください。そうすることで、病院内で他の人にうつしてしまうのを防ぐことができます。
みんなで麻疹を防ごう!
麻疹は、ワクチンで予防できる病気です。
- ワクチンをしっかり接種すること
- 手洗いや咳エチケットをしっかり行うこと
この2つを守って、みんなで麻疹を防ぎましょう!