メニュー

アレルギー検査について

[2025.05.18]

院長の杉原 桂です。

わたしはもともと、相模原病院の海老澤先生の下で小児アレルギー外来を学ばせていただきました。

博士号論文も食物アレルギーに関しての論文でした。

ですので、

気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎などを得意としています。

今回はアレルギー学会がつくった「アレルギー検査について」の動画をご紹介したいと思います。

 

原因となるアレルギー物質を調べるためにいくつかの検査があります。当院では特異的IgE抗体検査までおこなっています。

よく、採血のIgE抗体検査が(+)にでただけで、食物アレルギーである、と間違った判断をしてしまう人がいます。

本当は食べて、症状がでること、たべない期間、症状がでないこと、をテストしないと、確定診断には至りません。

 

なので、離乳食をはじめる前に採血して検査しましょうというのは大きな間違いです。

 

また遅延型食物アレルギーを検査しましょうという人たちにも、学会は注意喚起を促しています

 

======

血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起
 

米国や欧州のアレルギー学会および日本小児アレルギー学会では、食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定しています。
その理由として、以下のように記載されています。
すなわち、①食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体である。②食物アレルギー確定診断としての負荷試験の結果と一致しない。③血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけである。④よって、このIgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもある。

以上により、日本アレルギー学会は日本小児アレルギー学会の注意喚起を支持し、食物抗原特異的IgG抗体検査を食物アレルギーの原因食品の診断法としては推奨しないことを学会の見解として発表いたします。


参考文献:
Stapel SO, et al. Allergy 2008; 63: 793-796.
Bock SA. J Allergy Clin Immunol 2010; 125: 1410.
Hamilton RG. J Allergy Clin Immunol 2010; 125: S284.
日本小児アレルギー学会ホームページ:
「血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起」

                            平成27年2月25日

                       一般社団法人日本アレルギー学会
                            理事長 斎藤博久

====

他の検査は大学病院などに紹介状をもって、検査をうけていただく流れになります。

 

下記は、アレルギーポータルのサイトからの転記になります。

特異的IgE抗体検査

さまざまなアレルギー物質のIgE抗体が血液中にあるか調べる検査です(IgE抗体については「アレルギーとは」の項目を参照してください)。

現在、IgE抗体が測定可能なアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因となる物質)は200種類以上あります。アレルゲンは1種類ずつ測定できますが、保険診療では1回に測定できる項目数に上限があります。また、1回に決められたアレルゲンを複数個測定できる試薬もあります。測定すると、それぞれのアレルゲンに対するIgE抗体の測定値とクラスという分類で結果が出ます。クラスは0~6の7段階で表記されており、クラス0が陰性、クラス1が偽陽性、クラス2~6が陽性と判断されます。

血液検査だけで調べることができるため簡便ですが、IgE抗体は症状がなくても検出されることがあります。症状がない場合は、アレルギーがあるとは必ずしもいえませんので注意が必要です。

特異的IgE抗体検査
報告書の例

皮膚プリックテスト

皮膚にアレルギー物質が含まれるエキスを少量滴下して、専用の針で皮膚に刺してアレルギー反応を調べる検査です。アレルギーがある場合には膨疹が生じます。
果物などの場合は果物に専用の針を刺して、そのまま皮膚に刺すことで調べることもできます(プリック to プリック テスト)。IgE抗体を直接証明できる検査ではありませんが、アレルギー物質に対しての反応を15分~20分で判定することができます。対照液として陽性コントロール(ヒスタミン二塩酸塩 10 mg/mL)および、陰性コントロール(生理食塩水)を用いる場合は、以下の判定基準を利用することもできます。

皮膚テストの手引きより
皮膚テストの手引きより
皮膚プリックテスト
皮膚プリックテスト

パッチテスト

パッチテストは、特に金属アレルギーなどの接触皮膚炎が分類されるⅣ型アレルギーがあるかどうかを調べるための検査です。専用のパッチテストユニットに試薬を添付し、皮膚に貼り付けます。48時間後にパッチテストユニットを外し30分~1時間放置し、パッチテストユニットテープによる刺激反応が消失してから判定します。判定は、48時間後、72時間後あるいは96時間後、1週間後に行います。

パッチテスト判定基準

パッチテスト

その他の検査

ぜん息では呼吸の状態を評価するための呼吸機能検査(フローボリュームカーブ)や呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)検査、食物アレルギーでは食物経口負荷試験、アレルギー性鼻炎では誘発テストなどの検査があります。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME