9-10ヶ月健診がおわったら
9-10ヶ月健診、本当にお疲れ様でした。
つかまり立ちが上手になって、早い子だと伝い歩き(テーブルや壁に手をかけながら横歩きすることですね!)が始まったり。「まあま」「ぱーぱ」なんて、意味のある(?)言葉らしき声が聞こえてきたり。
もうね、昨日できなかったことが今日できている、そんな成長の爆発期ですよね。 赤ちゃんの世界が、今までの「床(平面)」から「テーブルの上(立体)」へと、一気に広がった時期です。
9-10ヶ月、目が離せない時期
だからこそ、お父さん、お母さん。今、ものすごく目が離せない時期じゃないですか?
6-7ヶ月健診の時にも「安全対策」のお話をしましたが、あの時とは危険のレベルが違います。 ハイハイの頃は「低い場所」だけ気にしておけばよかった。 でも、つかまり立ちを覚えた赤ちゃんは「高い場所」にも手が届くんです。
あの、熱いアイロンが置いてあるテーブルクロスを、グイッと引っ張ってしまう…。 まさに、そんなヒヤリハットが一番起こりやすいのが、今なんです。
好奇心と危険の区別なんて、つくわけないですからね。 「あ!」っと思った時。 お父さん、お母さんは、どんな風に対応していますか?
つい「ダメッ!!」って、大きな声を出してしまうこと、ありますよね。 もちろん、いいんです。危険を知らせるためには、それも大事。
9-10ヶ月のしつけのコツ
ただ、この時期のしつけのコツは、「叱る」ことじゃなくて、「遠ざける」ことなんです。 赤ちゃんが危険なことをしようとしたら、親御さんはまず、冷静に「ダメよ」と低い声で伝えます。 そして、すぐに赤ちゃんを抱きかかえて、その場から離す。 あるいは、危険なもの(例えば、ハサミとか)をサッと取り上げる。
赤ちゃんにしてみれば、「あ、これは触っちゃいけない空気なんだな」と学ぶチャンスです。 言葉で理由を説明してもまだ分かりませんから、「行動」で示してあげることが大切なんですね。
9-10ヶ月の育児の悩み「二大巨頭」
それから、この時期のお父さん、お母さんを悩ませる二大巨頭がいます。 遊び食べ・食べムラと、夜泣きです。
遊び食べ・食べムラについて
特に食べムラ。「昨日まであんなに食べたのに、今日は一口も食べない!」「手づかみでぐちゃぐちゃにするだけで、口に入らない!」…こういうご相談、健診で本当によくいただきます。
でもね、安心してください。 それは自我が芽生えてきた証拠なんです。「僕は今、食べるより、あっちのおもちゃで遊びたい気分なんだ!」って。 素晴らしい成長じゃないですか!
手づかみ食べは脳の発達を促す
手づかみ食べも、ただ散らかしているわけじゃありません。「これは、どんな固さかな?」「手につくと、どんな感じかな?」と、指先と口で、世界を学んでいるんです。脳がものすごく発達している瞬間ですよ。
だから、無理に食べさせるのは禁物。 食事が「楽しくない時間」になってしまうのが、一番もったいない。 栄養が心配になるかもしれませんが、この時期の赤ちゃんは、まだミルクや母乳からも栄養を摂っています。体重がガクンと減ったりしない限り、数日単位で「なんとなく食べられてるな」くらいで大丈夫。
9-10ヶ月の食育
家族みんなで同じ食卓を囲んで、「あー、美味しいね!」ってパパやママが笑顔で食べている姿を見せること。 それが、一番の食育になりますよ。
1歳のお誕生日に向けた予防接種の準備
さて、家の中の安全対策、そして食事。 もう一つ、この9-10ヶ月健診のタイミングで、僕がどうしてもお伝えしたい、大切なことがあります。 それは、1歳のお誕生日に向けた、予防接種の準備です。
僕は小児科医として、アレルギーや漢方治療(東洋医学)も専門にしていますが、何よりも予防こそが医療の原点だと考えています。 つらい病気から子どもたちを守る、最強の武器。それがワクチンです。
1歳になったら受けてほしいワクチン
1歳のお誕生日を迎えたら、すぐに受けてほしいワクチンが、いくつかあります。 特にMR(麻しん・風しん混合)ワクチン。 麻しん(はしか)は、とんでもなく感染力が強くて、脳炎などの重い合併症を引き起こす、本当に怖い病気です。これは、絶対に防ぎたい。
他にも、おたふくかぜ、みずぼうそう(水痘)など、新しいワクチンが待っています。
追加接種(ブースター接種)を忘れずに
そして…ここが一番、忘れないでほしいポイントです。 1歳を過ぎると、今まで受けてきた「小児肺炎球菌」、「5種混合」などの追加接種(ブースター接種)が始まります。
この追加接種、自治体によっては親切にお手紙が来ないこともあるんです! (え、そうなの!?って思いますよね)
ワクチンは、1回打って「はい、おしまい」ではありません。 例えるなら、記憶の「復習」です。 1回目で覚えた「敵(ウイルスや細菌)の顔」を、時間が経つと忘れかけてしまうので、「追加接種」という「復習テスト」を行うことで、記憶をガッチリ定着させるんです。
アレルギーがある場合のワクチン接種
「うちの子、アレルギーがあるから、ワクチンがちょっと不安で…」 そういうお父さん、お母さんも、いらっしゃるかもしれません。 そういう時こそ、僕たちを頼ってください。 ユアクリニックお茶の水では、お子さんの体質に合わせて、場合によっては漢方薬で体調を整えながら、一番安全なタイミングで接種できるよう、一緒にスケジュールを考えます。
9-10ヶ月、目が輝く毎日を
さあ、1歳のお誕生日は、もうすぐそこ。 後追いが始まって、ママはトイレにも行けない!なんて、嬉しい悲鳴をあげている頃かもしれませんね。 大変なことも多いですが、赤ちゃんの「今」は、本当に一瞬です。
心配事はぜんぶ、僕たち小児科医に預けてください。 お父さん、お母さんは、どうかお子さんとの目が輝く毎日を、思いっきり楽しんでくださいね。
